他人のささいなことにイライラします
脚本家、大石静
私は人に対してすぐイライラしてしまいます。例えばみんなで片付けをしているときに数人がおしゃべりしているとすごく気になります。会話に入れないうらやましさもあるとは思いますが……。かといって注意する勇気もなく、イライラがずっと尾を引いてしまいます。どうしたら気にせずにいられるでしょうか? (静岡県・男性・20代)
◇
20代ですか!
それなら原因はひとつしか考えられません。
あなたには、しあわせの実感が足りないのです。自覚がないかもしれませんが、自分の人生に漠然とした不満と不安があって、常にイライラしており、つい他人に厳しくなってしまうのではないでしょうか。
恋人、いませんね。
もし相思相愛の女性がいて、しばしばスキンシップがあり、愛を確かめ合っていたら、世の中がどうであろうと、他人がどうであろうと、「ま、いいか」と思えてしまうはずです。
あるいは人生の目標がはっきりあり、それに向かって奮闘努力していれば、他人の小さな行いなど気にならないでしょう。
世の中は、少し働き、ゆっくり休み、何事もほどほどがよいという価値観が主流です。あなたもその世相に心をからめとられていませんか? それによって自分の中のエネルギーを持て余していませんか?
だとしたら解消の方法は、ただひとつ。
とにかく目の前のことにまい進することです。下らないと思う仕事(勉強)でも、汗水たらして成果を上げることです。
評価されれば、しあわせを実感できます。さらなる目標も見えて来ます。
誰よりも努力し成果を上げている人は魅力的ですから、女性も寄って来るでしょう。
常にベストを尽くす! という意識で生きる人間になれれば、他人へのイライラは解消すると私は思います。
しかし明日、いきなりそういう人間に成長できるというものではありません。それなりの時間を要します。その間のイライラをどうするんだ? と聞かれそうなのでお答えします。
それは牛乳を飲むことです。
興奮を抑え、心を穏やかにするセロトニンという脳内ホルモンの素、トリプトファンが、牛乳にはあるからです。
私も毎晩、寝る前に牛乳を飲みます。すると仕事でカッカしていた頭がすーっと鎮まり、優しい自分になるのを感じますので、これは間違いありません。
とりあえずは牛乳。その後は自らの力で、しあわせの実感を得ることです。
[NIKKEIプラス1 2017年4月8日付]
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