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法政大学の田中優子総長

法政大学の田中優子総長

法政大学は2017年の大学入試で、首都圏の大学で志願者数トップになった。早稲田大学、明治大学を抑えて関東で初めて首位となり、学内関係者からも驚きの声が上がった。かつての"バンカラ大学"はなぜトップに立ったのか。桜が咲き誇る東京・市ケ谷の法政の田中優子総長を訪ねた。

白い和服で勝利宣言

「法政大学の学部一般入試の志願者数は、全国で2位、関東ではトップでした。たいへんな競争を勝ち抜いて、みなさんは入学してくださったのです」。4月3日、法政の入学式の式辞。冒頭のあいさつで、白い和服に身を包んだ田中総長は堂々とこう"勝利宣言"した。17年の志願者数は前年比で16.9%増の11万9206人となり、全国で近畿大学に次いで2位、首都圏で初の首位に躍り出た。

4日に取材に応じた田中総長は「そんな派手なことはやっていませんが、グローバル対応などの地道な努力がやっと受験生たちに伝わったということでしょうか」と答える。この日も田中総長は和服姿。江戸文化の研究家でもあり、テレビ出演や講演会も多いため、和服で過ごす時間が長いという。

法政は清成忠男総長時代(1996~2005年)に新学部を次々設置する一方で、本拠地の市ケ谷キャンパスに高層ビルの「ボアソナード・タワー」を建設するなど拡大路線を走った。グローバル対応の強化のため、1999年に国際文化学部、2008年にはグローバル教養学部をそれぞれ設置、短期留学したり、英語のみの授業の学部が人気となった。志願者は7万人を超え、9万人超まで増えたが、その後伸び悩んだ。

都心回帰、今は危ない

それが14年に田中総長が就任した後、15年から3年連続で志願者が大幅に増加。16年には初めて10万人台を突破した。ただ、この間は都心に建て替えを除き新校舎を建設したり、新学部をつくるなどハード面での大型投資は控えている。法政のキャンパスは市ケ谷と、東京郊外の多摩、小金井の主に3拠点。明治などライバル大学は都心回帰を推し進めて志願者を大幅に増やしたが、田中総長は「今は危ない。多摩キャンパスの一部学部の市ケ谷移管は課題だが、物理的にも厳しい状況。コスト的にも見合わない」と慎重だ。

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