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「待機児童ゼロ」先送りへ 0歳児保育見直しの声も

2017/4/10

「国が定める保育士の配置基準は0歳児に一番手厚く、年齢が上がるほど少ない保育士でも多くの子どもを見られるようになっています。乳児3人に保育士1人を付けなくてはいけません。でも1歳児は保育士1人で6人を見られます。預かる0歳児を減らすだけでも、同じ保育士の数でも、より多くの子どもを預かれます。この点からも保育士不足の解決になるはずです」

「もちろんひとり親であったり低所得世帯だったりして、0歳児を預けてでも働かざるを得ない保護者もいます。そこへの配慮は必要です。保育料の軽減措置などで対応すればよいでしょう」

――保育所整備は少子化対策の側面もあります。国は希望出生率1.8を目標に掲げるなど出生率回復にも努めています。保育料値上げは少子化に拍車を掛けませんか。

「保育所整備で恩恵を受けるのは働いている保護者です。少子化対策というならば仕事の有無で区別せず、もっと幅広い観点から施策を検討すべき問題だと思います。それにそもそもなぜ0歳児から子どもを預けようとするのかを考えなくてはいけません。それは0歳児のうちに保育所を確保しておかないと、1歳になってからでは入りにくい状況があるからです。保護者の多くが0歳児保育を本当に望んでいるわけではありません。0歳児の枠を減らす代わりに1歳児以上の枠を拡充し、1歳から安心して入れる環境になれば行動は変わるはずです」

「待機児童問題を語る際、コストの問題から目を背けてはいけません。0歳児保育にどれだけ公的コストがかかっているのかを多くの人は知りません。財源は無制限ではありません。限られたコストの中で、女性活躍推進と出生率回復をどれだけ実現できるか。社会全体で考えるべきです」

(編集委員 石塚由紀夫)

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