佳奈 なので国は、「養育費相談支援センター」を設置して、情報提供や相談などの支援を行っているわ。離婚前でも電話やメールで相談できるそうよ。

亜弥 わかった、困ったら電話してみるね。

佳奈 次は生活費ね。総務省の「平成26年全国消費実態調査」によれば、母子世帯の消費支出は月額平均で19万464円。これに税金などの非消費支出(2万5938円)を加えて、トータルで21万6402円になるわ。ただ、住居費用(家賃)が2万7000円程度と、都心に比べて低めなので、そこは亜弥が想定した月7万円に修正。食費や交通費などは大きく変わらないとみて、トータルで月額23万5000円ほどと想定したわ。

図1 亜弥さん31歳時点での年収と想定年間支出。養育費は月額5万円と想定

亜弥 私の手取りって、ボーナス入れてもだいたい月額21万円くらいなんだけど……。

佳奈 そこに養育費が加われば26万円になるでしょう? 後で説明するけど、児童手当などの上乗せもあるわ。月の支出を23万~25万円程度にコントロールできれば、当面は問題ないわよ。亜弥は節約上手だから、工夫次第でもっと抑えられるだろうし。

亜弥 そっか。でも、高校生から大学生になると、教育費が多くかかるんだよね。大丈夫かな?

佳奈 そうね。保育園を卒園したら、小中高はすべて公立に通うとして、さらに優斗くんが高校2年生(17歳)から塾に通って国公立大学に入ると想定して計算すると、教育費の合計は900万8308円になるわ。

亜弥 改めて聞くと、やっぱりかかるわね……。

佳奈 特に高校2年から大学卒業までの負担が重くて、この6年でかかる費用は474万3830円。教育費全体の52.7%を占めるわ。塾に通わなければ300万円強で済むけど、少し多めに見積もっておいた方がいいかなって思って。

亜弥 そうね、今から優斗の進路を決めるわけじゃないけど、選択肢を増やしてあげたいし……。教育費は多めの方がしっくりくるわ。ところで、月々の支出はどう変わっていくの?

佳奈 さっき、当面は25万円前後って言ったわよね。それは優斗くんが小学生までの話。それ以降は支出が増えていくわ。優斗くんが12歳以降、つまり亜弥が40歳以降の月の支出は26万~27万円ほど。高校2年・3年生の時期(亜弥45~46歳)がピークで、33万円ほどに増える計算ね。優斗くんが大学在学中(同47~50歳)は28万~30万円ほどになって、卒業後(同51歳以降)は16万5000円程度に減る見通しよ。

亜弥 高校から大学までをいかに乗り切るかがポイントなのね。

佳奈 ちなみに、全世帯における大学進学率は53.7%なんだけど、ひとり親(母子家庭および父子家庭)世帯は23.9%にとどまっているの。同時に、ひとり親世帯の相対的貧困率は54.6%と、全世帯の12.4%に比べて極めて高いわ。ひとり親世帯への社会的支援は、まだまだ不足していると言えそうね(数値は前出の「ひとり親家庭等の現状について」による)。

亜弥 数字で説明されると、厳しさが際立つわ。

佳奈 話が少しそれたわね。最後のポイントが奨学金よ。日本学生支援機構の第1種(返済は必要だが、利息がないタイプ)で自宅通学の場合だと、月額3万円または4万5000円の貸与を受けられるの。なので、大学在学中は、ひとまず月4万5000円の貸与を受けるものと想定。離婚後の生涯収支をシミュレーションしてみたのがこれよ。

図2 離婚後の収支シミュレーション
図3 離婚後の資産推移予測。46歳(子供18歳)時点での資産は590万円。以降は右肩上がりで、退職時点では3283万円になる。90歳時点では453万円が残る

亜弥 えーっと、私が44歳までは年間18万~43万円ほどの黒字だけど、45~46歳(子供が17~18歳)の2年間は27万~28万円の赤字になるのね。それ以降は退職まで黒字で、年金生活に入ってからは貯蓄を取り崩していく格好ね。赤字続きは精神的に厳しいわ~。

佳奈 60歳で退職した後、年金を受給できる65歳までは毎年200万円近い赤字になるわね。ただ、それまでの貯蓄と退職金(想定1470万円)のおかげで、90歳の時点では453万円強が残るという結果になったわ。なお、奨学金は4年間のトータルで216万円。計算上は奨学金なしでも何とかなるんだけど、やはり使った方が無難かな。

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年金分割は微々たるもの