誤解だらけの肩こり解消術 ストレッチは静より動で人気トレーナー・中野ジェームズ修一さん直伝 肩こり解消テク

日経Gooday

「専門的に言うと、筋肉には伸長固定と短縮固定という、2種類の緊張状態があります。つまり、筋肉が伸びた状態で固まっているのか、逆に縮んだままになっているかということです。例えばパソコン作業をすると肩と手が体の前のほうにきますよね。すると、うなじから肩にかけて走っている僧帽筋(そうぼうきん)は伸びた状態で、また、体の前側の筋肉は縮んだ状態で固まり、どちらも血行が悪くなり、ゆがみや不調につながります。その不調をどうやれば解消できるかというと、例えば、縮んで固まっている部位は、一般的なストレッチで伸ばせば解消できますが、伸びて固まった筋肉を伸ばしても問題解決にはなりません」

動かさないことで固まった筋肉は、動かすに限る

動かさないことで固定されている場合は、動的ストレッチで積極的に動かしたほうがいい(写真 室川イサオ)

実はストレッチには、腕や足をいろいろな方向に積極的に動かす「動的(ダイナミック)ストレッチ」と、筋肉をゆっくりと伸ばす「静的(スタティック)ストレッチ」の2種類がある。

ストレッチと聞いて多くの人が思い浮かべるのは静的ストレッチだが、前述した通り、伸長固定されている筋肉をこの方法で伸ばしても、意味がない。動かさないことで固定されているのだから、動的ストレッチで積極的に動かし、血液の循環を高めることが最善の方法になるというわけだ。

では、肩こりを解消するには、具体的にどんな動的ストレッチを行えばいいのだろうか。

肩こりや緊張の解消には「50回肘回し」

「肩こりには肩甲骨や首回りの多くの筋肉が関連しています。ですから、両手を肩の上にのせて大きく肘を回転させる動的ストレッチがいいですね。肩がこってきたと感じ始めたらいつでも、少なくとも20~30回、できれば50回くらい回してください。そんなに回したら肩が疲れてしまう、汗が出てくるという人がいますが、それくらい回してあげないと効果は出ません」

足を肩幅に開いて立ち、両手の指先を肩にのせる。肩甲骨を使うようにして、肘を前から上、横と3秒くらいかけて回していく。少なくとも20~30回、できれば50回行うといい(イラスト 平井さくら)

しっかり動かせると体全体の代謝を高める効果もあるので、仕事の途中で眠気を感じた時にも、頭をスッキリさせるためにも役立つかもしれない。脳への血液流入も増えるので、新しいアイデアが浮かぶこともあるだろうし、仕事の効率も上がるはずだ。

動的ストレッチは精神的緊張にも効く

また中野さんによると、僧帽筋の上部は、精神的に緊張すると縮む唯一の筋肉であり、緊張が原因で生じる肩こりをほぐすには、僧帽筋を意識した次のような動的ストレッチが有効だという。

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