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40代のもの忘れ、認知症の始まり? メタボも関係

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NIKKEI STYLE

日経ヘルス

もの忘れが増えると「ひょっとしたら認知症!?」と思いがちだが、40歳前後からもの忘れが増えるのは自然なこと。更年期になると女性ホルモンのゆらぎでもの忘れが増えることもわかってきた。どのように家事や運動をすれば記憶力は向上するのか。最新情報を3回に分けてお届けする。1回目はもの忘れの原因について。

◇  ◇  ◇

40歳前後から、もの忘れを自覚し始める人が多くなるもの。ひろかわクリニックの広川慶裕院長は、「若い頃からもの忘れの一因とされているアミロイドβペプチドというたんぱく質(脳の老廃物)は生成されているが、スムーズに排出もされている」と言う。しかし、年齢とともに体内に残るようになり「多くの人が記憶力の低下を実感するようになる」(広川院長)。ただし、諏訪東京理科大学の篠原菊紀教授は「70~80代になっても認知機能があまり衰えない人も多い。もの忘れには、アミロイドβ蓄積以外の要素も関係するのでは」と指摘する。

認知症の中でも最も多いアルツハイマー型は、アミロイドβが、脳に蓄積して発症する病気だ。しかし、きちんと対策すれば、アミロイドβの蓄積を抑え、その発症も相当予防できるという。「体内でアミロイドβの作られる量と排出量の均衡が崩れ、臨界点を超えると認知症が発症する。ただしいきなり発症するのではなく、前段階として軽度認知障害(MCI)やプレMCIという状態がある。その時期に早期発見し、必要な対策や治療をすれば、ほとんどのケースで健常老化に戻れたり、現状維持のまま過ごすことも可能になる。必要以上に恐れないでほしい」と広川院長は言う。その上で、「もし、いつものルーチンワークの順番を間違え続けてしまうような症状があれば、医療機関に相談を」(広川院長)。

実はメタボも、記憶力の低下に関係するという。東京医科歯科大学大学院の寺内公一教授は「閉経後にメタボ傾向のある人は、認知機能が低くなりやすいというデータがある。メタボとは"太め"という意味ではなく、内臓脂肪の蓄積に加えて脂質異常症や高血糖、高血圧のうち2つがある状態を指す。これらがあると脳の血管に負荷がかかりやすいためで、気をつけてほしい」と語る。

また良質な睡眠は、もの忘れの防止に重要だという。篠原教授は「眠りが浅くなる時期ともの忘れが重なるのはこのため。徐波睡眠と呼ばれる深い眠りが大切で、良質な睡眠をしっかりとることで、アミロイドβの排出が促される」と語る。脳を元気に保つには、日常の心がけが肝心なようだ。

大量の飲酒習慣は認知症の発症リスクを上げる

大量に飲酒する習慣のある人は、脳の萎縮や脳の血管障害が高確率で起こり、認知症の発症リスクを高める可能性がある。

一方で、最近の研究で、ごく少量の飲酒が認知症のリスク低下に関連があると認められた。具体的には、1日当たりのアルコール摂取量が12.5g(ビール:5%・約310ml、日本酒:15%・約100ml、ワイン:14%・約110ml)以下だ。

とはいえ、「それはごく少量の場合に限られる。アルコールをできるだけ控えることも、脳の健康には欠かせない」と篠原教授は語る。

広川慶裕さん
 ひろかわクリニック(京都府・宇治市)院長。認知症予防と働く人のメンタルヘルスに特化した「ひろかわクリニック」「品川駅前MCI相談室」で診療を行う。著書に『あなたの認知症は40歳からわかる!』(悟空出版)など。
寺内公一さん
 東京医科歯科大学(東京都・文京区)大学院医歯学総合研究科・女性健康医学講座教授。医学博士。主に更年期障害や骨粗しょう症の診療・研究を行う。特に中高年女性の抑うつ・不安・不眠の特性とその対応、女性の身体的・精神的機能の加齢による変化などに詳しい。
篠原菊紀さん
 諏訪東京理科大学(長野県・茅野市)教授。専門は健康教育学、脳科学。学習、運動、遊びなど、日常的な脳活動を調べ、教材・製品・サービス開発などに生かす。『最新科学で解き明かす 最強の記憶術』 (洋泉社)など著書・共著多数。

(ライター 渡邉由希、構成:日経ヘルス 太田留奈)

[日経ヘルス2017年5月号の記事を再構成]

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