住宅ローンどう選ぶ? 全期間固定型の低金利続く変動型は余裕ある人向け

自宅を購入する際に金融機関から資金を借りる住宅ローン。適用される金利にはいくつか種類があり、どれを選べばいいか迷う人はいるでしょう。それぞれの特徴を知っておけば、自分に適したローンを選ぶのに役立ちます。

住宅ローンの金利タイプは主に3つあります。金利の低下が特に目立つのが固定型です。日銀が昨年2月にマイナス金利を導入し、銀行が固定型の金利水準を決めるときの目安にする長期金利(10年物国債の利回り)が一時マイナス圏まで低下したからです。日銀がその後、長期金利を0%に誘導する方針を決めたことなどから10年債利回りは緩やかな上昇に転じました。固定型の金利も底入れしつつありますが、まだ歴史的に低い水準です。

変動型は固定型に比べて金利がほとんど低下していません。銀行が財務などが優良な企業に貸す際の目安である短期プライムレートが指標で、通常は政策金利に連動しますが、銀行の多くはマイナス金利導入後も短プラを下げていないからです。収益悪化を避けるためとみられています。

それでも変動型の金利は一般的に固定型より低いので、変動型を選ぶ人は少なくありません。ある大手行では足元で新規の住宅ローンの6割程度を占めているそうです。

ただし将来の金利上昇に備えるなら、全期間固定型が有利との見方は多くあります。返済期間中の金利が変わらず、毎月の返済額を一定にできるからです。住宅ローンショップを運営するMFS(東京・新宿)の塩沢崇取締役は「返済額が増えると対応できない場合は、全期間固定型が選択肢」と指摘しています。当初期間固定型は固定期間終了後に手続きをすれば固定金利を選べますが、市場金利が上昇していると適用金利も上がる可能性があります。

変動型は金利の低さが魅力ですが、固定型との金利差は数年前に比べ小さくなっています。例えばみずほ銀行の2017年4月の最優遇金利は変動型が0.625%、全期間固定型(31~35年)は1.6%です。差の0.975%を負担すれば、金利上昇に備えられるわけです。

変動型は適用金利が上昇してもすぐに毎月の返済額が増えるとは限りません。「5年ルール」と「125%ルール」を適用する金融機関が多いからです。5年ルールは金利変更から5年間は毎月の返済額を据え置くこと。125%ルールは5年ごとの見直しの際、前回返済額の125%を上限とすることです。

ただあくまで返済額の増加を先送りするだけで、返済が免除されるわけではありません。満期を過ぎても完済できない見込みなら、最終返済時に一括で返さなければなりません。5年ルールなどを適用しない金融機関もあります。

「金利の低い時期は変動で借り、上昇局面で固定に替えればいい」と考える人もいるでしょう。しかし金利上昇局面では期間の長いものから一般的に上がります。切り替えを決めたころに固定型の金利が既に高止まりしている可能性もあります。変動型は金利が上昇しても、家計に対応できるだけの余裕がある人に向いていると言えそうです。

[日本経済新聞朝刊2017年4月1日付]

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