無線LANの「MU-MIMO」 メリットと制限は?

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日経トレンディネット

春は無線LANルーター買い替えの季節。最近の無線LANルーターが売りにしているのが、マルチユーザーMIMO(以下、MU-MIMO)という機能だ。MU-MIMOがどのような機能なのか解説しよう。

MU-MIMOは、無線LANルーターにスマホやタブレットなど複数の端末をつなげたときに速度低下を防ぐ機能だ。

従来のシングルユーザーMIMO(SU-MIMO)は、どんな状況でもスマホやタブレット、パソコンなどの端末と1対1で通信する。無線LANルーターに無線で接続する端末が1台ならそれでもよいが、2台以上になると通信相手をいちいち切り替えて対処しなければならない。

無線LANルーターに接続する端末が増えれば増えるほど、通信を切り替える手間が増えるので順番待ちが発生し、そのぶん通信速度が低下してしまう。この速度低下を防ぐのがMU-MIMOだ。端末ごとに異なる電波を送信することで、速度低下を防ぐ。

最近はMU-MIMO対応を売りにする製品が多い。MU-MIMOは複数の端末を接続したときに速度の低下を防ぐ機能だ。

最近はMU-MIMO対応を売りにする製品が多い。MU-MIMOは複数の端末を接続したときに速度の低下を防ぐ機能だ。画面はアイ・オー・データ機器のウェブページより

気を付けるべきことは?

MU-MIMOは、無線LANルーターがスマホなどの位置を推測し、電波の送信方法を工夫して端末がある位置に最適な電波を送信する「ビームフォーミング」機能で端末の位置を推測する。その後、電波干渉が起きないように、位相をずらして複数の端末に向けて電波を同時に送信する仕組みだ。

ただし無線LANルーターと端末の両方がMU-MIMOに対応していなければならないのが難点。例えば、現時点でMU-MIMOに対応したスマホ端末は、「AQUOS ZETA SH-01H」(シャープ)や「arrows NX F-02H」(富士通)といった一部製品のみと少ない。

また、MU-MIMOは制御にアンテナを1本使うため、同時に送信できるのは「無線LANルーターのアンテナの本数マイナス1」の台数のみだ。

例えば、アンテナが4本ある無線LANルーターの場合は、最大3台までなら同時に通信できるが、その台数より多いと、結局SU-MIMOと同様に順番待ちが発生し、速度が低下する。注意が必要だ。

MU-MIMOは上位製品にのみ搭載する機能だったが、低価格帯にも対応製品が増えてきた。写真はアイ・オー・データ機器の「WNPR1167F」(4200円)

(ライター 田代祥吾)

[日経トレンディネット 2017年3月22日付の記事を再構成]

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