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関口和之さんとハワイ ウクレレがくれた第二の故郷

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NIKKEI STYLE

今年2月12日、ハワイ州ホノルルのカカアコ・ゲートウェイ・パークで、「ウクレレピクニック・イン・ハワイ2017」が開催されました。

サザンオールスターズの関口和之さんがプロデュースするこのイベントは今年で9回目。ビーチフロントの公園に、音楽とハワイを愛する人々が集まり、ウクレレの音色を聞いて、アロハの心でつながっていこうというもの。日本からはJALPAKオフィシャルツアーも組まれているほどの人気ですが、ここ数年はロコたちも多く参加するイベントに成長しています。主催者でありながら出演者。ハワイを愛するウクレリアンである関口和之さんをインタビューしました。

関口和之さん サザンオールスターズのベーシストとして、1978年6月25日に「勝手にシンドバッド」でデビュー。バンド活動と並行し、ウクレレをこよなく愛する「ウクレリアン」としてウクレレをフューチャーした作品を多くリリースする。国内でのウクレレ普及活動に加え、ハワイと日本の架け橋となる独自の活動を幅広く展開する。執筆活動やイラストレーター、ラジオパーソナリティーなど各方面で多彩な才能を発揮。担当する「木下グループNO-FO-FON TIME(のほほんタイム)」(InterFM897)は毎週土曜日10~11時。

――まずは、ウクレレピクニック・イン・ハワイ、お疲れさまでした!

関口さん ありがとうございます。おかげさまで今年の来場者は6000人ほどになりました。最初の頃は、日本からの方が7割ほどと多めでしたが、今年はロコが逆転した感じです。現地の人たちに知ってもらえるのは、とてもうれしいです。

――スポンサーの数が当初の4倍になったと聞きました。

関口さん ありがたいことです。地元メディアのタイアップスポンサーも今までで一番多く、いつもよりにぎやかに感じました。

――ウクレレピクニック・イン・ハワイを始められたきっかけは何だったのですか。

関口さん 「えひめ丸衝突事故」(2001年2月9日、オアフ島の沖で愛媛県宇和島水産高等学校の練習船「えひめ丸」が米原子力潜水艦と衝突した事故)の犠牲者に近い方から、話を聞く機会があったのです。その方たちは当時、ハワイの現地の人たちがあたたかく接してくれたことに感謝していました。二度とあってはならない悲しい出来事でしたが、彼らとの交流を通して、ハワイを好きになったと。それをきっかけにハワイ州と愛媛県、ホノルル市と宇和島市の交流が始まりました。この話を聞いて感動したんです。そして、音楽でも何かできないだろうか、と思いました。そこからです。

カカアコの公園の丘の上には、えひめ丸の慰霊碑もあります。第1回のウクレレピクニック・イン・ハワイは、えひめ丸の犠牲者への慰霊の心をこめて、7回忌の年の2月に行いました。以降、僕のバンド活動との問題がない限り、毎年2月に開催しています。他の場所で開催したこともあるのですが、結局この場所に戻ってくる。ここにゆかりがあるのだと感じています。

「音楽は楽しむもの」原点に気付かせてくれたウクレレ

――今年は、開催が危ういほど前日に大雨が降りました。

関口さん そうでしたね。前日の大雨は、ひどかった。でも、開催当日の朝になったら、からりと晴れた。屋外イベントですから天気だけはどうにもなりません。

――ハワイの神様に守られていますね。

関口さん ウクレレに出合って、「音楽は楽しむもの」という原点に立ち返ることができました。ウクレレが自分のライフスタイルを変えてくれた。ウクレレに救われた、という思いがあります。だから、ウクレレと音楽を通して、ハワイに恩返しができたら、と考えています。ウクレレはハワイの楽器ですからね。

――ウクレレに救われた、とはどういうことですか。

関口さん 音楽をこのまま続けていっていいのか、そんなことを悩んでいた時期が自分の中でありました。大好きだった音楽なのに、一時嫌いになりかけたんです。でも、ウクレレがそんな思いから救ってくれた。今は、昔以上に音楽が好き。これもウクレレに出合ったおかげです。

ウクレレを持っている人はみんな「ライフスタイルが変わるよ」と言います。目の前にある小さな幸せに気づけるというか、野心を持たなくても幸せはここにある、そういうことですね。

――のほほんタイム(NO-FO-FON TIME*)、ですね。

関口さん ウクレレの音色は本当に、心をゆるめる作用がある。誰か研究している人いないかなぁ。ウクレレの音色が人間の脳にどういう影響を与えるのか、知りたいですね。高音域の倍音の中に、きっと何かがあると思う。

*InterFMで毎週土曜朝10時からの関口さん出演のラジオ番組のタイトル

ハワイの子どもたちにウクレレを贈る「ハワイのハワイ化計画」

関口さん 最終的なゴールであり使命は、ウクレレミュージアムをハワイに作ることなのです。そのためにも、ウクピクをずっと続けていきたい。昨年からは、ハワイの公立小学校にウクレレの寄付を始めました。100本寄付しました。ハワイの公立小学校は予算カットで、体育と音楽の授業が削られてしまう。なので、ウクレレがあっても、教えられる先生がいないところも多い。ハワイ生まれのハワイ育ちなのにウクレレを弾けない子どもたちがいる。それは悲しいな、と。だから先生を派遣して、そこで子どもたちにウクレレを教えるような仕組みを作りました。

僕はウクレレに救われたので、ウクレレを通して誰かを救いたかった。

――それが「ハワイのハワイ化計画」ですね。

関口さん そうですね。僕が立ち上げたNPOウクレレ・ファウンデーション・オブ・ハワイの活動の一つでもありますが、ウクレレを通して教育や文化交流の場を作りたい。

――ハワイの人はみなウクレレが弾けるというわけではないのですよね。

関口さん 僕がその現実を知ったのは、ウクレレと出合ってからだいぶあとです。驚きました。ハワイではみんながウクレレを持っていて、みんな弾けると思っていましたから。

日本の「ウクレレ難民」も助けたい

関口さん また、ハワイでウクレレを買ったけれど、そのままになっている、という人もいますね。僕らはそういうたぐいの人を「ウクレレ難民」と呼んでいるのですが、彼らも救済したい。いや、しなければと思っています(笑)。ウクレレは、楽しい楽器ですから。

――ウクレレは難しい、という人もいますよ。

関口さん 難しいですか?(笑)。ギターに比べて、軽いし、痛くならないし、弦は4本だし、楽だと思います。そして、上手にならなくても誰もが楽しめる楽器、そこが魅力でしょうね。

――音色は本当に美しいですね。今、関口さんに軽く演奏していただいただけで、うとうとしてきました。

関口さん 僕も初めてウクレレを持ったとき、音が気持ちいいなと思いました。音色が美しく、優しい。レベルに応じて誰もが長く楽しめる楽器です。上手じゃなくてもいい。「弾けた!」というのを越えたら、あとは楽しくなるだけです。「これは弾けそうだ!」という感覚が、楽器に対する姿勢としては一番大事なのです。

――関口さんがウクレレに魅了され、ウクレリアンとして活動されていることが、すてきです。

関口さん ウクレレの魅力って、もしかしたら音楽をやっている人が一番わかるかもしれない。

――これからのウクレリアンとしての活動について聞かせてください。

関口さん ウクレレに関した活動を「仕事」と思ったことはないんです。これはあくまでもライフワーク。奉仕の精神がベースにある。ウクレレに対する愛は、みんなそうなんじゃないかな。ウクレレって野心を起こさせる楽器じゃないんです。僕はこれからも、ウクレレのために何かしてあげたいと思っている。ウクレレのレコーディングのときも、ウクレレをどんなふうに使ったら楽しくなれるのか、気持ちいいのか、いつも考えている。作るCDの主役は、僕じゃない。ウクレレなんです。

これからもウクレレの認知度を高めるため、日本とハワイを行き来して活動をしていきたいと思っています。あぁ、やっぱりこれは仕事じゃないですね(笑)。ウクレレは自分にとっては友達、大切な相棒です。だからこそ、ウクレレとともに、生きていきたい。日本とハワイでね。

◇  ◇  ◇

取材中、ずっと笑顔で穏やかな関口さん。会話の間のとり方、言葉をひとつひとつ丁寧に紡いでいく口調は、まるでウクレレを聞いているようで、話をしているだけで緊張もほぐれ、心が穏やかになっていくのがわかり、取材というのに、とても心地よい時間でした。

サザンオールスターズのバンド活動と、ウクレレ普及活動。今後もこの2つを楽しみながら行っていくといいます。

来年のウクレレピクニック・イン・ハワイは記念すべき10回目。どんなウクレレミュージックが聞けるのか、どんな出演者が顔をそろえるのか。そしてどんな関口さんが見られるのか。今から楽しみです。

取材協力:ウクレレ・ファウンデーション・オブ・ハワイ

(構成・文 大崎百紀)

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