訪日客数、政府目標まだ低い 五輪で年8000万人狙え「日経緊急解説Live!」から

日本経済新聞社の論説委員、編集委員らが重要ニュースを解説する有料セミナー「日経緊急解説Live!」
日本経済新聞社の論説委員、編集委員らが重要ニュースを解説する有料セミナー「日経緊急解説Live!」

2020年東京五輪・パラリンピックの開催によって、どのように日本は変化するのか。日本経済新聞社が3月15日に開催した有料セミナー「日経緊急解説Live!」は、このテーマについて北川和徳編集委員と田中陽編集委員が解説した。両編集委員がそろって指摘したのは、インバウンド(訪日外国人)需要の拡大。地方都市の活性化、年間3兆円以上の消費拡大などの経済効果がある一方で、その効果を一層高めるためには課題もある。講演の一部を紹介する。

北川編集委員は新潟支局長を務めた経験を踏まえ、「インバウンドを増やし、交流人口を増やさないと地方は衰退していくばかり」との地方の声を紹介。「11年にインバウンドは東日本大震災の影響で大きく減った。それをみて、五輪を(日本で)開催しないといけないと思った」と振り返った。

田中編集委員は「観光立国政策はアベノミクスで唯一成功した」との見方を示した

東京五輪の効果については「五輪は国や都市の最高のプロモーションになり、実際に日本は(東京大会の招致成功後に)インバウンドが回復した」と指摘。そのうえで「人口減少に対しては、国を開いて、将来は移民についても考えていかなければならなくなる。国民の意識が変わるきっかけとしても、五輪は大きな役割を果たす」と強調した。

田中編集委員は「観光立国政策はアベノミクスで唯一成功した」との見方を示した。その理由として「財政出動を伴わず、ビザなどの規制緩和によって訪日客が年間3兆円もの消費をしている」と説明した。

ただ、訪日客数を人口で割った比率は0.2にとどまっており、香港やギリシャ、スペイン、フランスなどと比べ、見劣りするため、「訪日客が(政府目標の)年間4000万人でも少なすぎる。8000万人が来るぐらいにしないとだめではないか」と指摘した。そのうえで政府や地方自治体などのインバウンド振興策については「まだまだ、やれる余地がある」と述べた。

北川編集委員田中編集委員の解説は日経電子版のWeb刊「映像」で視聴できます。