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アウトランダーPHEV 理屈のエコカーが生きる道

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いよいよ日本でも本気のプラグインハイブリッド(以下PHV)時代が始まった。PHVとは電池容量を増やし、半分電気自動車(EV)としても使えるようにした進化形ハイブリッドカー。フル充電状態から数十km電気だけで走れ、充電が切れたら燃費のいい普通のハイブリッドカーとして走れる。ある意味、宮本武蔵のような二刀流エコカーだ。

実は2012年にはトヨタ自動車が初代「プリウスPHV」を発売していたのだが、世界での販売数は約7万5000台にとどまった。同じプラットフォームのノーマル「プリウス」が250万台も売れたことを考えると振るわない結果で、その反省もあって2代目プリウスPHVは力を込めて開発された。専用エクステリアデザインやパワフルなデュアルモータードライブシステムの採用はその象徴ともいえる。

結果、17年2月に発売された2代目のプリウスPHVは、1カ月間の受注が約1万2500台。15年12月に発売されたノーマルのプリウスが、16年1月半ばまでに10万台も受注したことを考えると多少ものたりない気もするが、ウワサでは倍増ともいわれている次のPHV補助金待ちのユーザーも多いという。

なかなか読めない部分も多いが、PHVの本格普及には予想以上の時間がかかっている。

密かな名作PHVも全面ブラッシュアップ

一方、先日密かに注目のクルマが改良を受けた。三菱自動車「アウトランダーPHEV」。16年に発覚した燃費偽装でケチを付けたものの、初代プリウスPHVと同じ2012年に発売された本格派で、世界初の4輪駆動SUVタイプのPHV。日米はもちろん、PHV優遇制度を持つ北欧などで人気を博し、世界で12万台以上も販売されている。

なかでも注目は今回新設定された最高級グレード「S Edition」。小沢も早速乗ってみたが、まず目立つのは外装のブラッシュアップで、既に備えていた三菱自慢のワイルドマスクはブラックパーツが増えてより精悍(せいかん)に。インテリアも本革シートを標準装備し、全体に赤いステッチが入って微妙に高級化した。

さらに乗り心地の良さで定評のあるビルシュタイン社製ダンパー(ショックアブソーバー)が装着され、走りのテイストが大きく変わった。なによりも特有のEV走行フィーリングを備えている。

PHVとしては巨大な12kWhのリチウムイオン電池や強力な電気モーターを装備しているのは先代と同じだが、より積極的にEV走行するようになり、加速レスポンスも向上。ひと言で言うと、より"EVっぽく"なった。最近常識になりつつある被害軽減ブレーキも歩行者対応になり、そのほかの先進安全機能も確実にアップデートしている。

もちろん最大の美点である大人5人が余裕で乗れる居住性やSUVらしく広いラゲッジは踏襲。2代目プリウスPHVに加速力やEV走行距離では負けるが、プリウスPHVが後席2人がけの4人乗りであることを考えると、今も十分魅力的な使えるPHVではある。300万円台スタートの価格帯も手ごろだし、プリウスPHVと合わせて今後の日本のPHVマーケットの伸びに大きく関わってくるに違いない。

つくづく理解と説明が難しいプラグインハイブリッド

ところで先日、少々ショッキングなことが起きた。プリウスPHVの動画撮影の際、スタッフが充電が切れた状態のクルマを持ってきたのだ。私は「PHVの試乗でEV走行が試せないなんてあり得ない!」と厳しく指摘したのだが、一方で、そんな状況に不思議と納得している自分がいた。

特別クルマに詳しくない動画取材斑。EV走行の重要性などさほど感じていなかっただろうし、そもそもPHVがなんたるかをさほど理解していない。単なる新型ハイブリッドに毛が生えたぐらいの認識であり、充電してこそ生きる「半EV」だとは思ってない。

おそらくガソリンで走ることと、充電して電気で走ることの経済性の差もよく分かってない。そりゃそうだ。普段電気はガソリンのように、リッター何円などと金額ベースで計算して使わないし、どちらがお得でエコロジーかという実感は得にくい。

EVは漠然とエコだろうと思っているくらいで、家庭用の深夜電力を使えば1kWhあたり10円ちょいで手に入るということも分かっていないはずだ。プリウスPHVであれば1km走るのに1円くらい。ハイブリッドのプリウスの燃費を換算すると1km走るのに3円程度。PHVのEV走行より3倍ほどもかかってしまう。

要するにPHVは、頭を使って初めて分かる理屈のエコカーでもある。だから難しいのだ。

私はプリウスPHVもアウトランダーPHEVも、本当の普及には地道な努力が必要になってくると思う。クルマの魅力をかみ砕くように伝えなければならないし、例えばプリウスPHVのように、他のクルマにはない走りの良さや個性的デザインを提供していかなければならない。

PHVは様々な性能の高次元のバランスが最大の売りだが、もっと無条件にカッコいいか、便利か、安いか、そういう売りを作っていかなければいけないのかもしれない。そう考えると、アウトランダーPHEVは新たに入った日産自動車傘下で思い切って劇的に安くするか、デザインを変える必要もありそうだ。

まだまだ本当の勝負はこれからだと小沢は考えている。

小沢コージ
 自動車からスクーターから時計まで斬るバラエティー自動車ジャーナリスト。連載は日経トレンディネット「ビューティフルカー」のほか、『ベストカー』『時計Begin』『MonoMax』『夕刊フジ』『週刊プレイボーイ』、不定期で『carview!』『VividCar』などに寄稿。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)など。愛車はロールスロイス・コーニッシュクーペ、シティ・カブリオレなど。

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