不眠解消には「とにかく早く寝るのが大事」はホント?
この記事では、今知っておきたい健康や医療のネタをQ&A形式で紹介します。ぜひ、今日からのセルフケアにお役立てください。
(1)はい
(2)いいえ
正解は、(2)いいえ です。
厚生労働省の「平成26年国民健康・栄養調査」によると、「睡眠で休養が十分にとれていない者」は成人の21.7%で、2年前の調査より約5%増えています。 実際、疲れているはずなのに布団に入っても眠れない、夜中に何度も目が覚めるなど、不眠症や睡眠障害に悩んでいる人は多いと思います。
多くの不眠症患者を治療してきた、むさしクリニック(東京都小平市)の梶村尚史院長は、「睡眠障害にはいろいろなタイプがありますが、どのタイプでもまず睡眠リズムを直すところから始めないといけません」と話します。
「睡眠リズムを整える」とは、すなわち「規則正しい生活を送る」ということです。基本は早寝早起きになります。となると、早起きするために、"まず早く寝よう"と考えがちですが、梶村さんは「それが失敗の原因」と指摘します。
「早く寝ようと思っても、なかなか簡単には眠れないでしょう。最初は午前6時半とか7時とか、起きる時間を決めること。早寝早起きではなく、"早起き早寝"という意識で始めるのがコツなんです」(梶村さん)
夜眠くなる時間は朝起きた時間で決まります。そのため、まずは一定の時間に起きることから始めなければなりません。これを我慢して続けると、だんだん体内時計が整い、自然に早い時間に眠くなってくるそうです。「就寝時刻は多少ずれてもいいですが、起床時刻は絶対に守ってください。大切なのは平日と休日で起きる時間を変えないこと。睡眠不足が続いている場合はやむを得ませんが、それでもいつもより2時間以上遅くなってはいけません」(梶村さん)
ベッドにいる時間はできるだけ短く! 読書も避ける
必要な睡眠時間は人によって異なりますが、梶村さんは「一般に15歳で8時間、25歳で7時間、45歳で6時間半、65歳で6時間が必要な睡眠時間の平均値です」と話す。つまり、必要とする睡眠時間が6時間半で、朝は7時に起きるなら、ベッドには夜の12時過ぎに入ればいいということになるわけです。
また、必要以上に早くベッドに入らないようにしましょう。ベッドにいる時間をできるだけ短くするのが大切です。ベッドで本を読むのも避けましょう。「読書するなら別の場所で。あくまでもベッドは眠るためだけの場所、と習慣づけて脳に覚えさせることで、ベッドに入ったら条件反射ですぐに眠れるようになっていきます」(梶村さん)
朝は、予定していた起床時間になったら、眠くてもぐずぐずせずにベッドから出ましょう。その後に、日光を浴びる、顔を洗う、朝食を取る、コーヒーや紅茶などカフェインの入った飲み物を飲む、といった行動をすると交感神経が刺激されて目が覚めます。睡眠リズムを整えるうえで特に有効なのは、光を浴びることと朝食です。
以下に、不眠症を改善するためのポイントをまとめました。
(日経Gooday編集部)
[日経Gooday 2017年3月13日付記事を再構成]
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