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お金の真実は給与明細に宿る 春は残業減らして

いまさら聞けない大人のマネーレッスン

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NIKKEI STYLE

こんにちは。経済エッセイストの井戸美枝です。この連載では最新の時事ネタを交えつつ、みなさんにとってきっと役立つおカネの知識をお伝えできればと思っています。

さてさて、時間がたつのは早いもので、もう4月。2017年も4分の1が終わったことになります。このまま気がつくとあっという間に年末……なんてことにならないように、年度のはじめである4月には気合を入れ直したいところ。

「今年度は○○する!」と目標を立てるには良いタイミングかもしれませんね。例えば、今年度は残業を減らして自分の時間をつくる、など。ちまたでは「月末の金曜日は早退して遊びにいこう!」というプレミアムフライデーなるものが企画されたりして、生産性を上げて労働時間を減らそうという流れがあります。

残業といえば……。実は、春はできるだけ残業しない方がおトクかもしれません。というのも、4~6月に残業を多くすると「健康保険」や「厚生年金」の保険料が上がる可能性があるからです。

給与明細をみてみよう

毎月会社からもらっている「給与明細書」をチェックしてみてください。給与明細からは、自分がどれくらい働いてどれくらいお給料をもらったか、どれくらい税金を納めているかなどいろいろなことが分かって、意外に楽しいですよ。

上の給与明細の例で、それぞれの項目を簡単にみておきましょう。

項目は会社が独自に作ることができ、この例とは違うところもありますのであしからず。

「1.勤怠」は出勤データの項目です。「出勤日数」「欠勤日数」「残業時間」「特別休暇日数」などが記載されているはずです。

「有給日数」「有給残日数」も載せているところもありますよ。有給残日数は気になりますね。

遅刻してしまった回数が載っていたり、残業時間もチェックできたり、と1カ月を振り返ることができます。

「2.支給」は会社から支払われるお給料の明細です。「基本給」「非課税通勤費(月15万円までが非課税)」「残業手当」「家族手当」「資格手当」などが記載されています。会社によって、「基本給」が、「本給」や「職能給」「職務給」など、細かく分かれていることも。

「3.控除」は差し引かれるお金の項目です。控除される(差し引かれる)お金には、主に「税金」と「社会保険料」の2つがあります。その他にも、組合費や生命保険料などが天引きされていることもありますね。

税金には、国に納める所得税、地方に納める住民税、復興特別所得税(2037年までの予定)があります。

社会保険料には「健康保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」、40歳以上の方は「介護保険料」があります。

このように、給与明細を見ると、税金や保険料をいくら払って手取りがいくら、と「収入」をきちんと把握できます。収入を把握することは家計管理をするうえでも大切なことです。なんとなく振り込みがあって、なんとなく使っていてはダメ。できれば毎月チェックしておきましょう。

給与明細の説明が長くなってしまいました。それでは本題へ。

保険料を決める「標準報酬月額」

なぜ春に残業を多くすると、保険料が上がる可能性があるのか。それは、保険料の計算の基になる「標準報酬月額」の等級が上がるかもしれないからです。

標準報酬月額……? うーん、聞きなれない言葉です。簡単に説明しましょう。

まず、4~6月に会社から受け取った報酬のすべて――これにはお給料だけでなく残業手当や通勤手当、住宅手当なども含まれます――を3で割って1カ月分の平均額を出します。これを報酬月額といいます。

(4月分の報酬+5月分の報酬+6月分の報酬)÷3=報酬月額

ただ、この報酬月額はそのまま保険料の計算に用いられません。金額によって、あらかじめ決められた等級に区分されます。これが標準報酬月額です。

例えば、平均した金額が48万5000~51万5000円にあてはまる方は「30等級」となり、標準報酬月額では「50万円」の区分になります。

通勤手当も保険料の算定に加算されるので、遠方から通勤していて交通費が高い方は、思ったよりも高いところに区分されているのではないでしょうか。

この3カ月間で決まった標準報酬月額に基づく保険料が、当年の9月から翌年の8月まで使われることになります。

※ただし基本給が大きく昇給するなど変動して、等級が2等級以上アップダウンする場合には申請をして等級を変更します。

健康保険料、等級が上がるとどれくらい変わる?

保険料のうち、厚生年金は多く支払えば将来受け取る年金が増えるのでよしとしましょう。

健康保険はいわば掛け捨ての保険。できれば安くすむ方が良いですよね。

健康保険料は、「標準報酬月額」×「保険料率」で決まります。保険料率は加入している健康保険によって異なりますが、東京都の協会けんぽの場合ですと、40歳未満の方の保険料率は9.91%。保険料は事業主(会社)と折半するので、この半分が実際の負担で4.955%となります。

上の健康保険と標準報酬月額の区分の図をご覧ください。

健康保険の保険料は、5万8000~139万円まで50等級に分類されており(50等級が一番高い)、標準報酬月額が多いほど、保険料も高くなっていきます。

例えば、23等級(報酬月額31万円以上33万円未満)から24等級(報酬月額 33万円以上35万円未満)に等級が上がると、月々の健康保険料は1万8496円から1万9652円となり、月々1156円、1年間では1万3872円高くなります。

長時間労働が問題に

このように、4~6月に残業が多くすると報酬が増える。標準報酬月額の等級が上がる。そして、保険料が高くなる可能性があるのですね。

もし可能であれば4~6月はできる限り残業をしないという選択が、保険料の節約につながります。

また、社会保険料は従業員と会社(事業主)が折半して負担しており、保険料の減少は会社にとってもメリットがあるので、理解を得やすいかもしれませんね。

さらに、長時間残業が社会問題となっています。働きすぎ防止のため、労働基準法を改正して残業時間の上限を設けることになりそうです。社会全体が「生産性を上げて労働時間を減らそう」という流れになっているのです。

この春、みなさんもこのビッグウエーブに乗って、部署全体もしくは会社全体で、残業を減らすよう取り組んでみてはいかがでしょうか?

――まとめ――
・給与明細にはたくさんの情報がつまっている。チェックしよう。
・標準報酬月額で健康保険料や厚生年金保険料などの社会保険料が決まる。
・標準報酬月額とは、4~6月の給料を平均(ボーナス含まず)して、等級に区分したもの。
・4~6月に残業が多ければ、等級が上がる可能性がある。つまり、保険料が高くなる可能性がある。
・7月に決定される標準報酬月額の等級は、原則1年間固定される。
井戸美枝
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、社会保険労務士。講演や執筆、テレビ、ラジオ出演などを通じ、生活に身近な経済問題をはじめ、年金・社会保障問題を専門とする。社会保障審議会企業年金部会委員。確定拠出年金の運用に関する専門委員会委員。経済エッセイストとして活動。近著に「知ってトクする!年金の疑問71」(集英社)「ズボラの人のための確定拠出年金入門」(プレジデント社)「定年男子定年女子」(日経BP社)など。

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