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美味しいお金の話

同じ金額使うなら 「投資」と「未来」を意識 ファイナンシャルプランナー 風呂内亜矢

2017/4/14

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 「身体は食べたものでつくられる」と考え、美容や健康のために食べ物に気を遣う人は多いでしょう。未来の自分を構成する要素になると考えれば、良質なタンパク質やオーガニック食材に手が伸びるのも納得です。これと同じように、いま現在の「お金の使い方」が将来の自分に影響するかもしれません。

■将来につながる消費

 気が進まないけれど断り切れなくて参加する飲み会費用と、仕事に必要な知識を得ることができる書籍代。両方とも5000円の出費ならば、書籍代に使う5000円の方が有効なお金の使い方のようにみえます。なぜでしょうか。

 考え方は色々あるかもしれませんが、同じ5000円の出費でもためになる書籍であれば、「いま価値を得る」だけにとどまらない効果があると感じられるからではないでしょうか。

 飲み会の会費は参加することに対して支払う費用ですが、書籍については読むことによって得られた視点をその後何度も仕事に生かせるかもしれません。日ごろから意識してこのようなお金の使い方をしていれば、積み重ねによって収入アップにつながる可能性があります。

 同じ金額を支払うのであれば、いま満足感を得るだけでなく、将来にも効果を発揮することに対して使う方が「お得」ともいえます。

 身体に良い食材を意識してとり、美容や健康につなげたいという考え方と、いま使うお金が将来にわたって効果を発揮してほしいという考え方は似ています。

 いま払おうとしているお金が自分の将来を変えるかもしれないと思うと、おのずと使い方にも慎重になるものです。

■お金の「過去、現在、未来」

 お金の使い方を「浪費、消費、投資」に分けてみましょう。浪費はいわゆる無駄遣いのこと、消費は生活するために必要な支払い、投資は新しい価値を生み出すことに対する支払いです。

 その日支払った金額がそれぞれ自分にとって浪費、消費、投資のどれに当たるのか振り返ることで、理想的なお金の使い方に近づけることができます。消費や浪費を減らし、投資を増やすことができれば理想的です。

 いわゆる「無駄遣い」である浪費もデメリットばかりではなく、生活に潤いをもたらす効果を生むことがあります。しかし、言い訳をしながら結果として浪費ばかりになっていないか、たまにはチェックをしてみてもいいですね。

 自分の支払いが浪費、消費、投資のどれなのかを判断する際、過去、現在、未来のどれに対する出費なのかを考えるという視点もあります。

 例えば、「過去」の失敗を挽回するために見えを張ったり、「既に」たまっていたストレスを発散するために支出したりするのは「浪費」に該当しそうです。

 「目の前」の生活をまかなうための支払いや、「瞬間的」な欲求を満たす買い物は、その場限りの支払いとなり「消費」に該当することが多いでしょう。スキルアップにつながる勉強代や、新たな視点を得るための旅行や経験、学びたい人と話せる会食などは「未来」に効果を発揮する可能性が高く「投資」になりそうです。

 ひとくちに会食といっても嫌々参加するものだと浪費になるのかもしれませんが、新しい出会いに期待してワクワクしながら参加するものだとすれば、投資に当てはまるでしょう。

 気が乗らないのに参加せざるを得ない会合がある場合は、払った会費を「浪費」から「投資」に変えるために何ができるのかを考えてみるのも有効です。苦手だと思っていた人と少し多めに話してみる、普段聞きづらかった質問をしてみるなど、同じ会費でもその価値を高められるすべはあります。

 お財布からお金を取り出す時に、「浪費、消費、投資」「過去、現在、未来」のどれにあたる支払いなのか意識してみる、払うことが決まっているお金は「投資」に変えられないか工夫してみるなど、自分の将来を意識したお金の使い方ができれば、金額以上の価値を得られるでしょう。

風呂内亜矢
 1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳でマンションを購入したことをきっかけにお金の勉強を始める。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。著書に『その節約はキケンです―お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか―(祥伝社)』『デキる女は「抜け目」ない(あさ出版)』などがある。管理栄養士の資格も持つ。http://www.furouchi.com/

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