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ポイント3重取りも 買い物1回で複数カードに加算

2017/4/2

複数枚同時ポイント付与も登場(dポイントカードとPontaカード)

 普段の買い物や通勤・通学の電車利用などで気軽にためて使えるポイントカード。利用の仕方次第で、起きてから寝るまで毎日の暮らしが快適になる。最近は1枚のカードで使えるお店が増えたほか、1回の買い物で複数のカードにポイントがもらえるサービスも登場している。

 一昔前までポイントカードといえば、ためたお店での買い物にしかポイントを使えない場合が多かった。ただ今は使い道が広がっている。東京急行電鉄の子会社が提供する「東急カード」は電車やバスの利用、百貨店での買い物などでポイントが付く。ためたポイントは買い物だけでなく、1ポイント=1円として10ポイント単位で交通系電子マネー「PASMO(パスモ)」にチャージできる。全日本空輸や日本航空のマイルにも交換できる。

■200円ごとに3ポイント

 JR東日本の「JREポイントカード」も利用範囲が広がっている。2月末から東京駅でも使えるようになった。インターネットで注文した商品を駅で受け取るサービス「ネットでエキナカ」の決済などにポイントを使うこともできる。通勤・通学途中の駅で商品の決済から受け取りまでできるので、JRユーザーには利便性が高い。

 ポイントが増えるキャンペーンはよくあるが、同時に複数のカードにポイントが付くサービスも出てきた。AOKIでは1月下旬からレジで「AOKIメンバーズカード」「dポイントカード」「Pontaカード」の3つを提示すれば、すべてのカードにポイントが付くサービスを始めた。3月末までの期間限定で「dポイント」「Pontaポイント」はもらえるポイントが3倍になるキャンペーンも展開中だ。「dポイント」「Pontaポイント」は通常、税抜き200円ごとに1ポイントもらえるが、今回は200円ごとに3ポイントに増える。新年度に合わせてスーツを新調する新社会人にはお得なサービスといえそうだ。

■登山用品とも連携

 楽天ポイントカードも他社カードとのポイントの「二重取り」が可能。昨年8月からドラッグストア大手のツルハホールディングスとポイントカードの連携を始めた。全国約1600店が対象になる。今春から登山用品の好日山荘とも連携する予定だ。

 こうしたグループを超えたポイント連携が広がっている背景の一つに、消費意欲の低迷がある。20年にわたるデフレや消費増税、少子高齢化に伴う社会保障の将来不安などを背景に、消費よりも貯蓄にお金を回す傾向が強まっている。総務省の家計調査によると、2016年の家計の黒字率は27.8%と、15年ぶりの高水準を記録した。

 企業の垣根を越えて連携が進めば、消費者にとってはポイントカードの使い道が広がり、利便性も高まる。それで消費が活発になれば、企業にとっても収益増などが期待できる。今は日銀のマイナス金利政策などの影響を受けた超低金利時代。家計は銀行にお金を預けてもわずかな金利しか得られない「運用難」の状況。企業もポイントの付与を通じて消費者に「お得感」を植えつけやすい。

 もちろんポイントをためることに執着しすぎれば、支出がかさむ。使い道をじっくり考えたり、ポイント還元率が高いものを調べたりして、自分に必要なカードを吟味することが大切。新年度を前に、ポイントカードの取捨選択を検討してみてはいかがだろうか。

(生田弦己)

[日本経済新聞朝刊2017年3月25日付]

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