防犯グッズはスマホ連動が人気 カメラにスマート鍵…
今回は、ビックカメラ新宿西口店に防犯グッズの売れ筋を取材した。いまは新生活に向けて備える意識が高まる季節だが、それに加えてIoT技術を取り入れたスマートグッズが注目を集めるようになっているそうだ。
PC・OAコーナー主任の浜野太一氏は「スマートフォン(スマホ)と連動して操作や管理ができるタイプが2016年の夏ごろから伸びています。ITに詳しい人だけが注目している、といった偏りはないですね。ペットを見守りたいとか、鍵の閉め忘れを防ぎたいとか、一人暮らしで不安とか、あらゆるニーズからトレンドが生まれている印象です」と語る。
ランキングはその動きを如実に反映していた。なお、防犯グッズは環境によって最適なモデルが変わりやすいため、今回のランキングはカテゴリー単位でまとめた。紹介している製品は、そのなかの売れ筋モデルという位置づけだ。
1位●ネットワークカメラ、スマ@ホームシステム 屋内カメラキット KX-HJC200K、パナソニック、2万1880円(ポイント10%)
スマホと連動するホーム監視システム「スマ@ホーム」の親機(ホームユニット)と、屋内カメラ1台のセット。親機には、屋内外カメラや窓センサーなどを3基まで追加できる。
2位●電子鍵、Qrio Smart Lock QSL1、Qrio、1万8000円(ポイント10%)
玄関ドアの鍵に工事不要で取り付けられる電子鍵。登録したスマホで開閉できるうえ、手動を含めた開閉ログを保存しておける。通信はBluetoothで、オートロック機能も搭載する。
3位●防犯ブザー、キラキラリボンブザー SKB-R20、セレン、448円(ポイント1%~)
ルダー型の防犯ブザーで、ピンプラグを抜くと約90dB/mの音量でアラームが鳴り響く。電源のオンオフができるので、誤動作防止もできる。カラーバリエーションは3種類。
4位●ドアホン、テレビドアホン VL-SWH705KL、パナソニック、5万7330円(ポイント10%)
約7型のカラー液晶を搭載したモニター親機と、ワイヤレスでつながるモニター子機、登録したスマホなどでドアホンの映像と音声が確認できる。自動録画機能や二世帯住宅連係機能を持つ。
5位●センサーライト、CAC16、ライテックス、9800円(ポイント10%)
ハロゲン300W相当の明るさを持つLEDライトで、左右の二灯を角度調整して固定できる。電源は家庭用コンセントから取得する仕様で、IP44の防雨構造となっている。
ネットワークカメラや防犯ブザー、ドアホン、センサーライトなど、防犯グッズの定番カテゴリーが並ぶなかで、2位にはスマホ連動の施錠システム「Smart Lock」がランクインするなど、IoT時代を象徴するような構成になっていた。他のカテゴリーの人気モデルにもスマホ連動タイプが多いのも見逃せない。
[注]掲載している価格とポイントは、2017年3月9日13:00時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見ていただきたい。
見守り需要も受けて「ネットワークカメラ」が一番人気! 「電子鍵」が続く
・何に対して、どこを備えるのかを明確にすると的を絞りやすい
・事前に間取りを把握したり家族と話し合ったりするのは重要
・住まいで導入できる機器や工事の有無が変わるので要確認を
防犯グッズの売れ筋1位には、抜きん出たかたちで「ネットワークカメラ」が座っている。「玄関や裏手の窓近くなどに監視カメラを設置したいというのと同時に、お子様の帰宅を見守りたいなどの屋内カメラのニーズもあるんですね。それらのニーズに対応しつつ、スマートフォンと連動するタイプが増えたことで、ジャンル全体で伸びているわけです」
とりわけ人気があるのが、パナソニックの「スマ@ホームシステム 屋内カメラキット KX-HJC200K」だ。Wi-Fiでつながる親機(ホームユニット)と屋内カメラ1台のセットで、あとから屋内外カメラや窓の開閉センサーなどが増設できる。
「ご自宅にWi-Fiがあってスマホをお持ちなら使えるので、導入のハードルが低いんですよね。そのうえでカスタムできる幅が広くて、あらゆるニーズに対応できるという強みがあります。とりあえずコレを買っておいて、後からオプションで最適化していくといったスタイルも選べますしね」
続く2位の「電子鍵」は、Qrioの「Qrio Smart Lock QSL1」がオンリーワンの存在として単独ヒットを続けているそうだ。自宅の玄関鍵に取り付ければ、Bluetooth接続で登録したスマホを電子鍵として利用できるというもの。開いたまま一定の時間が過ぎると自動で施錠する機能を備え、手動での開閉も含めてログも記録してくれる。
「問い合わせがものすごく多い製品です。これを導入すれば鍵の閉め忘れを心配しなくて済むということで買っていかれる方が多いですね。家族が不在のときも不審な出入りがきちんと記録できるというところも強みです」
新生活シーズンに伸びる「防犯ブザー」、高額でも売れる「ドアホン」
3位は、防犯グッズの定番のひとつといえる「防犯ブザー」。他のジャンルと比べて導入コストが圧倒的に低く、屋外に持ち出すのが前提なので用途も被らない。通年売れる商品ながら、とくに新生活シーズンは伸びるという。
「新生活シーズンは、子どもが小学校に上がる時期であり、一人暮らしを始める時期でもあるので、子ども用も大人の女性用も歩調を合わせるようによく売れます。モデルごとの差は見た目が一番大きいですが、アラームの大きさも気にされる方が少なくありません」
4位は「ドアホン」。こちらは、戸建て住宅の所有者がおもな購入層になる。「近ごろのセキュリティー意識の高まりから、昔から使っているインターホンをカメラつきに交換しようと考える方は年々増えている印象です。取り付け工事が必要になるものも多いですが、そのあたりもご相談いただければと思います」
そうなると、せっかくだから動画撮影できるもの、スマホ連係できるもの、と高付加なモデルが注目を集めることになる。ジャンル内での一番人気が6万円近くする「テレビドアホン VL-SWH705KL」となったのも自然な流れといえるかもしれない。
「インターホンが押されたら録画されますし、外出時に鳴っても登録したスマホで応対したりできます。また、パナソニック製品ということで、1位のスマ@ホームシステムとも連動できるので、セットで購入していく方もいらっしゃいますね」
戸建てやマンションを問わずに人気の「センサーライト」
5位は「センサーライト」。戸建てやマンション、アパートのオーナーによく売れるジャンルだ。大きく分けて電池式とコンセント給電式があるが、人気があるのは後者だとか。「電池式は安いですが、明るさが控えめなものが多いので、せっかく導入するからしっかり照らしたいということでコンセント式を選ばれる方が多いですね」
なかでも人気があるのが、ライテックスの二灯式モデル「CAC16」。300Wのハロゲン管相当の明るさがあり、フリーアームで左右ともに自在に角度調整できる。防雨仕様であることも売れ行きを後押ししているそうだ。
1977年生まれ。建設業界と葬祭業界を経て2002年にライターへ転職し、テクニカル系の記事執筆と死の周辺の実情調査を進める。
[日経トレンディネット 2017年3月13日付の記事を再構成]
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