飲んで食べて仮装して 記者も走った東北風土マラソン

さんまのつくだ煮も振る舞われた
さんまのつくだ煮も振る舞われた

宮城県登米市で2017年3月18~20日に開かれた東北風土マラソン&フェスティバル。東北各地の食材をルート上で食べながらフルマラソンやハーフマラソンを走る東日本大震災の復興支援イベントは4回目を迎え、5400人のランナーが集まり大盛況となった。20年の東京五輪・パラリンピックを契機に訪日客誘致にも力を入れる東北地方。それほど多くの人々をひき付ける魅力はどこにあるのか。取材をかねて記者(28)も走ってみた。

ハーフマラソンがスタート。先頭集団はまじめにタイムを競う参加者が目立った

このマラソンは東日本大震災からの復興を進めるため、東北の食文化や自然を世界に発信する取り組みとして14年に始まった。周囲24キロメートルの長沼のまわりを周回するコース。会場となる長沼フートピア公園へは東北新幹線で仙台駅から20分強の、くりこま高原駅で降りてシャトルバスで30分。東京五輪のボート・カヌー競技の会場候補地に挙がっていた「長沼ボート場」の湖畔にあるのどかな公園だ。事務局は一般社団法人登米市観光物産協会が務めている。

18日は2時間半の制限時間内に走った距離を競うリレーマラソンを実施。夜は登米市のホテルの宴会場で仙台牛、ずんだ、日本酒など東北の食材を振る舞う前夜祭「東北Food Night」が開かれた。

本番は2日目の19日。フルマラソンとハーフマラソン(21キロ)に加え、小学生用に1キロと2キロ、中高生用に3キロ、高校生以上が走れる5キロや親子ランがある。沿道で東北の名産品が味わえるのが特徴で、赤・白のワインやカキをルート上で味わいながら走るフランス・ボルドーのメドックマラソンが企画協力している。メドックマラソンと同じく、参加者は思い思いに仮装して走るのが特徴だ。

広々とした湖畔を走る。景色は絶景だ。

普段全く走る練習をしていない記者が軽く5キロを走るつもりで登録ブースに向かうと「メディアの参加枠はハーフマラソンしかありません」と実行委副委員長の竹川隆司氏。予想だにしない展開に体が震える。心を落ち着かせ、カメラを手にスタートラインに並ぶ。

午前9時50分、ハーフマラソンがスタート。左手に長沼の美しい景色を見ながらゆっくりと走り出す。

スタートから3キロ地点にある最初の給水所で、青森県産のリンゴをひとかけらもらい、日本酒の仕込み水でのどを潤す。給水所には長い行列ができていたため「タイムを競うマラソンじゃないんだな」と改めて実感した。ただ皆リンゴを口にするやいなやかみ砕きながらすぐに走り出すため、列は思った以上にすぐになくなった。

5キロほど走ったところで、記者の後ろから黒いジャケットを身にまとったマイケル・ジャクソンもどきがさっそうと駆けていく。人々を追い抜いたかと思うと急に立ち止まり「ポウッ!」とポーズを決めてまた走り出した。演技を披露するには人を追い抜かなくてはならない。周りの人を楽しませるエンターテイナーの鏡だ。