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労働時間に上限、政府が議論 平日の働く時間、昔より長く

2017/3/27

照明がともるオフィスビル(都内)

長時間労働に歯止めをかけるため、働く時間に上限を定める議論が政府で続いています。日本人は世界でみても長く働いているからです。例えば週に49時間以上働く男性労働者の割合は、欧州諸国が10%台なのに対し、日本は30%程度になっています。

なぜこうも違うのでしょうか。英国では産業革命の頃から「仕事に8時間、休息に8時間、やりたいことに8時間」と唱えられるなど、昔から働く時間に問題意識を持っていました。欧州連合(EU)は今、労働時間は原則週48時間までと決めています。

一方、日本で労働基準法ができたのは戦後間もない1947年です。当時は会社も労働者も精いっぱい働いて豊かになりたいという思いが強くありました。そうした背景から労働時間を例外的に延ばせるしくみがつくられました。

高度経済成長期には終身雇用が定着します。会社は不況でもクビにしない代わり、景気が良い時には社員に残業を求めました。労働組合も働く時間を減らすことより、賃金を上げることに力を注ぎました。家庭でも男性が妻と子を養うため、残業代を生活費に織り込んでいた面もありました。

しかし時代は変わりました。残業してモノを作れば作るほど売れるような社会ではなくなりました。子育てや親の介護をしながら働く人も増えており、これまでのようなモーレツな働き方には無理が来ているのです。電通の新入社員が過労自殺したことで一気に注目が集まった長時間労働の問題ですが、実は多くの人にかかわる時代の要請だったのです。

それなのに働く時間は減っていません。黒田祥子・早大教授と山本勲・慶大教授の分析では、フルタイムの人の労働時間は1980年代も2000年代も週に50時間程度のままです。その間に休日は増えたので、1日の働く時間が長くなっています。平日に10時間以上働く男性は、1976年には17%でしたが、2011年には43%という分析結果になりました。

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