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大富豪が実践しているお金の哲学

大富豪は「効率より効果」 資格取得もリターン見る

日経マネー

2017/4/25

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日経マネー

大富豪と呼ばれる人たちがいる。多額の富を保有する彼らのお金に対する考え方は、いったいどのようなものだろうか。かつて金融資産10億円を超える大手顧客を対象とした野村証券のプライベートバンク部門で辣腕をふるったZUU社長兼CEO(最高経営責任者)の冨田和成氏が、大富豪が実践する「お金の哲学」を解説する。

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職務スキルといえば資格を思い付きますが、大富豪で資格マニアという人はまずいません。

例えば、外国語。私は英語以外の外国語も身に付けた日本人の大富豪に出会ったことがありません。もちろん、語学力は素晴らしい能力ですし、仕事の効率も上げてくれますが、それにかけた時間と労力が結果につながるのかを彼らは逆算しているということです。

大富豪は効率より効果を重んじます。職務スキルを選択する時のコツは、この最終的な「効果」から逆算することです。例えば語学についていえば、自分が外国語を学ぶより、通訳を1人雇う方が早い場合もある、ということです。

やたらと資格を取るのも同じで、本人にすれば「就職先が増えるから」「時給が上がるから」「将来食べていくのに困らないから」といった様々な動機があるのでしょうが、資格の取得には時間とお金がかかります。これは紛れもない「投資」です。だからこそ、そこで得られる効果はしっかり精査されるべきです。

■大富豪の投資は2次関数

効果重視の資格で最も分かりやすいのがMBA(経営学修士)です。仮にアイビーリーグのMBAを取得するなら2年間で1000万円以上かかります。非常に大きな投資額ではあるものの、年収800万円が1200万円になったとしたら、その間の学費と生活費、さらには得られなかった年収まで、6年半働けば全てペイできます。そして、それ以降はプラスのキャッシュフローが続くのです。

高額な投資で、自分には縁がないと思う方がほとんどでしょうが、実際にMBA取得に自腹で行く人の中には、親族や銀行(学資ローン)からお金を集めて、大きな借金を抱えて行く人もたくさんいます。ここでも大事なのは投資発想が持てるかどうかです。

ただ、何もMBAを取得すれば大富豪になれるわけではありません。業界によってはファイナンシャルプランナー、税理士、会計士、TOEIC990点などの資格が最大効果を発揮する場合もあります。全ては結果からの逆算です。

普通の人が自分へ投資することを考えた場合、成長曲線として1次関数のような、時間と労力をかければ着実に結果が増えていくものを選ぶことが多いものです。

一方で大富豪の考え方は2次関数に近く、投資の効果が加速度的に伸びる分野を見抜き、集中して伸ばします。その結果、より大きな効果を得るというわけです。

会社経営も似ていて、安定した収益源となる1次関数の事業モデルを回しつつも、どこかで大きな飛躍が期待できる2次関数の事業モデルにも投資を続ける。そうすることで会社が大きく成長していくのです。

冨田和成
ZUU社長兼CEO。一橋大学在学中にIT分野で起業。卒業後、野村証券プライベートバンク部門で活躍。退職後にZUUを設立し、国内最大規模の金融ポータルメディアZUU onlineなどフィンテック分野で事業を展開中。

[日経マネー2017年4月号の記事を再構成]

日経マネー 2017年 6月号

著者 : 日経マネー編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 730円 (税込み)


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