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ネッシーにミステリーサークル 超常現象の捏造史 科学で挑む人類の謎

日経ナショナル ジオグラフィック社

2017/4/16

ナショナルジオグラフィック日本版

 「ネッシー」や「ミステリーサークル」と聞いて、どこか懐かしさをおぼえる方は少なくないだろう。20世紀の後半には、日本でもオカルトブームが起こり、UFOや超能力、心霊写真など、未知の生物や不可解な現象を取り上げるテレビ番組や書籍が世間を賑わしていた。しかし残念ながら、その多くは科学の力で説明できたり、捏造(ねつぞう)であったりするのが実情だ。

長さ36キロメートルのネス湖は伝説誕生の地にふさわしいたたずまいだ。(Circumnavigation/Shutterstock)

 ご存じの通り、ネッシーはスコットランド最大の淡水湖、ネス湖にすむといわれる巨大な怪物の通称だ。数ある怪物伝説の中で真っ先に名前が挙がるものだろう。最初の目撃はなんと1400年ほど前にさかのぼる。565年、アイルランドの伝道師、聖コルンバがこの地方で不思議な水生獣と遭遇したという記録が最初の例といわれている。再び光が当たるのはずっと下って1933年のこと。当時、新しい道路が開通し、インバネス市にほど近い高地の真ん中にひっそりと佇むネス湖へのルートが開けたのだ。北岸に沿って延びる道からネス湖を見渡すことができ、怪物を目撃するチャンスが増えた。

 伝説に冷水を浴びせたのは古生物学者で画家のニール・クラークだ。彼はネス湖の怪物は犬かきで泳ぐ象ではないかと唱えている。なぜ象がスコットランドの冷たい湖で泳いだりするのか不思議に思う人も多いだろう。しかし、クラークによれば、象を使うサーカス団がネス湖沿いの道をよく移動していたという。湖にさしかかると休憩して、動物を泳がせることもあったのではないか。1933年、この地方のサーカスの興行主はネッシー捕獲に2万ポンド(今なら100万米ドル以上に相当)という高額の賞金をかけたが、実はネッシーの正体がサーカスの動物だと知っていたのかもしれない。

ネッシーの長い首は実は泳いでいる象の鼻を写しただけかもしれない。(Cesare Naldi/National Geographic Creative)

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