マネー研究所

生保損保業界ウオッチ

入院や手術の「実費」を保障 子育て世代にも向く保険

日経マネー

2017/4/18

日経マネー

 契約はしたものの、細かな内容はよく知らない――。生命保険や損害保険の契約者の中には、こんな人も少なくないだろう。だが、保険は契約条項ひとつで受けられる補償が大きく変わる上、新たなサービスも続々と登場している。本コラムでは、生命保険と損害保険を交互に取り上げ、保険選びの上で知っておきたい知識を解説する。

◇      ◇      ◇

 入院日数が短縮化している一方で、医療の高度化などから入院時の治療費は高くなる傾向にある。そこで最近注目を集めているのが、治療費の自己負担額(実費)を保障するタイプの医療保険だ。

 下表で取り上げたのが、比較的シンプルで割安な3商品。いずれも特約を付けない基本保障で比較している。治療費とは公的医療保険対象の治療のことで、診療報酬点数(1点=10円)を基に給付額が決まる。自己負担が3割の場合、点数×3円が実際に払う治療費で差額ベッド代や食費などは含まない。

 「ZiPPi(ジッピ)」は月20万円を限度に入院治療費を保障。保険期間は5年と他の2商品より短いが、内容がシンプルなだけに他の保障と組み合わせやすく、ライフステージに合わせて利用法を柔軟に見直しできそうだ。

 「ネオdeちりょう」は入院と外来手術の治療費が保障され、自己負担割合に応じてI型(1円)、II型(2円)、III型(3円)から選択する。月の限度額も高額療養費制度(自己負担の月額を一定範囲に抑える制度)の所得区分に合わせて3通りから選べる。もっとも所得証明の書類は不要なので、貯蓄額と相談して決めることも可能だ。

 「じぶんへの保険プラス」は入院時の治療費、外来治療費の半額、がんの一時金、先進医療の4つが基本保障。月の限度額は10万円と少なめだが、がん保険が付いていると考えればやはり割安といえる。

 3商品とも、高額療養費制度適用前の治療費相当が給付されるので、最終的な自己負担額よりも給付額の方が多くなる場合もある。

 更新のたびに保険料は上がるが、若年層や子育て世代など、ひとまず割安な保険で病気に備えつつ貯蓄も増やして、将来的には医療保険からの卒業を目指すという人には手頃な商品といえるだろう。

内藤眞弓
 生活設計塾クルー。13年間の大手生命保険会社勤務の後、FPとして独立。生活設計塾クルー取締役を務める。『医療保険はすぐやめなさい』(ダイヤモンド社)など著書多数。一般社団法人FP&コミュニティ・カフェ代表。

[日経マネー2017年5月号の記事を再構成]

日経マネー2017年5月号 [雑誌]

著者 : 日経マネー編集部
出版 : 日経BPマーケティング
価格 : 730円 (税込み)


マネー研究所新着記事

ALL CHANNEL