――ファミリービジネスというスタイルですね。

「上場企業でもそういうスタイルはあります。これは日本の伝統かもしれない。アメリカに多いケースですが、会社の財産は息子がついでオーナーになり、他人の経営者、つまり雇われ社長がいるというパターンもある。経営者になる能力がなければ、オーナーになる。だけど自分が経営者をやれるのであれば、それが一番ですよ。株主と資本家と経営者が一体化し、社員と経営者が一体化するのが一番理想的ではないでしょうか。アメリカは違う。キリスト教の国だから、たくさん寄付して天国にいきたい人ばかり。会社を売って悠々自適で別荘を持って生きることが、人生のゴールになっている。我々日本人は、農耕民族です。死ぬまで田んぼに出て、クワをもって畑で働くのが生きがいだった」

30歳過ぎたら自分の顔に責任を持て

――年齢の割に若く見えます。肌もつやつやですよね。定期的に運動していますか。

「これは親からもらったものだけどね。しかし人間の表情は、心なんですよ。子どものころはかわいかった子や、賢そうだった子がつまんないおじさんになっていることはあるでしょう。米大統領のリンカーンの言葉ではないが、30歳を過ぎたら自分の顔に責任を持たなくてはね」

「今日もこの取材が終わったらプールで泳ぎます。あまり無理せず、500メートルほど。毎朝、3キロほど犬を連れてウオーキングもしくはジョギングしています。雪でも雨でもやっているから、近所で有名だと思いますよ。速すぎるのか犬がついてこられなくて、時々ストライキされてしまう(笑)」

大山健太郎(おおやま・けんたろう)
1945年大阪府生まれ。64年大山ブロー工業代表者に就任。91年アイリスオーヤマに社名変更。著書に「アイリスオーヤマの経営理念 大山健太郎 私の履歴書」(日本経済新聞出版社 )がある。71歳。

(松本千恵)

前々回掲載「『クビになっても』アイリス社長が説く震災対応 」では、東日本大震災発生時の危機管理について、前回掲載「『人事は不公平』に挑むアイリス流の360度評価 」では、独自の社員評価制度について聞きました。

「リーダーのマネジメント論」は原則火曜日に掲載します。