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春の京都で「伏見酒」満喫 料理引き立つ魅力を再発見

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NIKKEI STYLE

国内2位の酒どころ、京都。そのなかでも伏見は20以上の蔵元を有する酒造りの中心地だ。「女酒」と呼ばれるはんなりとした味は食中酒に最適で、その魅力が再び注目されている。春の京都旅行で気になる蔵元情報を探った。

地元産の原料、香りふくよか

その昔「伏水」と記されたほど、良質の地下水が豊富に湧き出る伏見の町。程よくミネラルを含む中硬水で醸した酒は柔らかな味わいで、辛口の灘の男酒に対し、女酒と呼ばれ親しまれてきた。この地が、なぜ一大産地となったのだろう?

国際利酒師(ききざけし)として活躍する山口吾往子さんにその歴史を尋ねた。「古代から醸されてきた伏見酒が花開くのは安土桃山時代。天下を統一した豊臣秀吉が伏見城を築くと、城下町とともに酒造業が一気に発達したのです」。桃山とは、伏見城が築かれた丘陵地帯の名称。当時の中心は、まさに伏見にあったのだ。続く江戸初期には、伏見は河川を通じ、大坂と都とを結ぶ水上交通の要衝として発展。蔵元は83軒にまで急増したという。

そんな伏見酒の特徴を、「繊細で柔らか。料理を最高に引き立てる引き算の酒」と評する山口さん。一見、個性を押し出す近年の流行に逆行するようだが、そこには、料理を一番に考え「本当に重要なところだけ足す」という、華道や茶室にも通じる京文化の粋が生きているという。例えば、山口さん注目の藤岡酒造。手造りの純米酒「蒼空」は、「すがすがしい飲み口なのに、余韻がとても豊か。造りたい味が明確」という。

京懐石や気鋭のレストランが集まる洛中と近いため、料理人と伏見の蔵元とは互いに切磋琢磨(せっさたくま)し合う関係も築いている。「その好例が、松本酒造が祇園『イル・ギオットーネ』の笹島保弘シェフと開発した『リッシモ』です」。オイルがきいたイタリア料理に合う酸味のある新感覚の酒は、多方面で評判を呼んでいる。

一方、「他地域との差別化のため、京都産原料の探求も進んでいます」。その嚆矢(こうし)は1992年に復活し、京都府内のみで栽培・醸造が許可されている酒造好適米「祝(いわい)」。齊藤酒造「井筒屋伊兵衛」に代表されるふくよかなうまみや香りが特徴だ。山本本家では近年、京都産種麹(こうじ)と、京都市産業技術研究所が開発した冷酒用酵母「京の咲(さく)」を用いた初の100%京都産の「神聖」を発売した。

酒造り体験や17蔵の利き酒

ところで、海外の日本酒ファンにも人気の伏見酒とは? 「大吟醸好みの方にはシャンパーニュのような味わいの増田徳兵衞商店『吃驚(びっくり)仰天』が、フルボディーのワインを好む方には招徳酒造『花洛 生酛(きもと)造り』、東山酒造『坤滴(こんてき)』が人気です」。近年はイベントや蔵見学などを通じて、蔵元がよりオープンになってきた伏見。1口から参加できる「酒米オーナー制度」を利用すると、田植えや酒造り体験などに参加できるので、興味がある人は春からの新規募集の確認を(山本本家、齊藤酒造、招徳酒造などで実施)。「伏見は独自の町人文化と都の文化がブレンドされている点も魅力。十石舟が行き交う川沿いも風情がありますよ」と山口さんは言う。

伏見酒の基本を理解したところで、いざ利き酒に挑戦。お薦めは2016年に誕生した「伏水酒蔵小路」。地元17蔵の清酒100種類以上をそろえた「酒蔵カウンター」と、日本料理店やイタリアンバル、ラーメン店など7つの飲食店が集まる施設で、どの店を利用しても互いに日本酒や料理の出前ができる。

人気の17蔵の利き酒セット「粋酔(きっすい)」は、きりっと冷えた食前酒に始まり、魚料理に合う吟醸系、こってりとした肉料理にも負けない生原酒や古酒まで集められている。「多彩な料理にぴたりと合う酒がある、伏見酒の懐の深さを体感していただけます」と同施設の担当者。毎月蔵元を招いて開くイベントにも注目したい。

(「日経おとなのOFF」4月号から抜粋・再構成。文・山口紀子)

[日本経済新聞夕刊2017年3月25日付]

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