日経エンタテインメント!

まず、ピコ太郎はちびっ子のアイドルであること。7000人が集まった観客の多くはファミリー。小学生以下の子ども連れが目立った。全体の2~3割が子どもだろうか。キッズエリアも設けられ、テーマパークのアトラクション感覚で楽しんでいたようだ。チケット価格は5940円と、ファミリーで来場しやすいようにやや安めの設定。ちびっ子を引きつけるキャラクターの強さが、ピコ太郎の人気を支えている。

■ジャンルも国も超えるコラボ力

2つ目が、誰とでもからめるコラボ力。プロデューサー古坂大魔王の芸人仲間であるくりぃむしちゅー、爆笑問題をはじめ、歌手の五木ひろしから高須院長まで、幅広いジャンルの著名人が登場して歌やトークを繰り広げた。五木ひろしには「『紅白歌合戦』でお会いしたのをきっかけにオファーした」という。来日したユーチューバ-とのコラボも、SNS(交流サイト)時代の新スターであるピコ太郎ならではだろう。ジャンルも国も超えて、多くの人を巻き込む力がピコ太郎の武器だ。

最後は全員で『PPAP』を大合唱

3つ目が、音楽ネタへのこだわり。この日、披露された『PPAP』はなんと11回。同じ曲を、そこまで繰り返すライブは聞いたことがない。お笑いライブでも、同じネタを繰り返せば、すぐに飽きられるだろう。ところが、『PPAP』はそのつど盛り上がり、会場を沸かせた。もともとテクノの原曲を、バンド、アニソン、アイドル、演歌、クラシックと、いろんなジャンルに編曲して、そのつど新しい『PPAP』の音を観客に楽しませたからだ。まさに「手を替え、品を替え」なのだが、それができるのもプロデューサーの古坂大魔王が卓越したアレンジ能力を持っているから。彼の音楽センスが、ピコ太郎の魅力をつくり出している。

ピコ太郎によると、古坂は「ザ・ドリフターズが好きで、早口ことばやヒゲダンスから大きな影響を受けている」という。もともとバンドだったドリフは音楽ネタが得意。番組では、アイドルから演歌歌手まで様々なゲストとコラボして観客を楽しませていたし、言葉遊びやダンスの動きはちびっ子に大受けだった。一方、古坂は今の流行であるEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)をベースに音楽ネタを生み出した。そしてドリフの笑いを今の時代に引き継いで、世界中の人々を楽しませているのがピコ太郎なのだ。

(日経エンタテインメント! 小川仁志)