2017/4/9

スタンフォード 最強の授業

佐藤智恵(さとう・ちえ) 1992年東京大学教養学部卒業。2001年コロンビア大学経営大学院修了(MBA)。NHK、ボストンコンサルティンググループなどを経て、12年、作家・コンサルタントとして独立。「ハーバードでいちばん人気の国・日本」など著書多数。

レバーブ:そうです。そこが肝心なのです。「中国には13億人もの人がいる。そのうち宣伝で1%に訴求できたら、この製品は大ヒット間違いなしだ」と言う人がいますが、これこそまさに間違った論理です。重要なのは、その製品を1%の中国人顧客が必要としているかどうかなのです。

シンプル求める人、世界的に増加

佐藤:「シンプルにする」というのは差別化するためのキーワードですね。

レバーブ:モノや情報が溢れる中、シンプルに考えたい、シンプルに生きたい、と思う人が世界的に増えてきています。そこに大きな需要があるのです。

様々な機能がついたオールラウンドの製品というのは、世の中にたくさんあります。その中で、他の製品と差別化するには「機能などを足していく」のではなく、「そぎ落とす」ことです。機能が複雑すぎる製品は嫌だという人のためにも、使いやすくてシンプルな製品を提供することです。

佐藤:一般的に日本企業は、機能を足していくのは得意だけれど、そぎ落とすのは苦手と言われています。シンプルにして成功した製品には、どのようなものがありますか。