さらに死に近づくための体験イベントもあります。

散骨事業からスタートし、船上葬などの企画・サービスを提供しているハウスボートクラブ(東京・江東)は2015年2月、ライフコミュニティカフェ「ブルーオーシャンカフェ」を東京・住吉にオープンしました。介護や葬儀など生と死の相談ができるカフェとして人気となり、遠方からの来客も多いそうです。「想定していたよりも若い世代が多く、お客様は40~50代が中心」(ハウスボートクラブ社長の村田ますみさん)といいます。

“ライフコミュニティカフェ”とうたう、東京・住吉のブルーオーシャンカフェ

■棺おけに入り、人生の幕引きについて考える

ブルーの外観に、木の温かみを感じさせるインテリア。メニューはロコモコ丼(890円)やアサイーボウル(800円)など、カジュアルなハワイアンスタイル。店内には1つ75万円もする、スワロフスキーとコラボして作られた美しい骨つぼも飾られています。

このカフェでは、隔月で「自分を見つめる入棺体験~棺の中で耳をすませば~」を開催しています。これは「棺おけに入る」という体験を通して人生の幕引きについて考えるワークショップで、昨年7月にスタート。僧侶を1人ずつ招いて、これまでに4回実施しています。

「『棺おけの中でお経を聞いてみたいね』という僧侶の一言で始まったものですが、すでにリピーターもいて反響は上々」(村田さん)。参加費用はドリンク込みで2500円、人数は最大で8人まで。1人が入棺する時間は3分ほどで、その間、僧侶がお経または弔辞を読み上げます。弔辞は、自分以外の誰かが自分を送る言葉を自分で想像して、その場で書きます。

カフェではほかに「海洋散骨と手元供養」、「医療に効くエンディングノート」や、「認知症カフェ『ラウレア』」などさまざまな交流イベントを実施しています。大切な人を亡くした後に体験する悲しみや喪失感を癒やすグリーフケアについてのワークショップもあります。

海洋散骨のセレモニーを希望する人も増えてきた(ハウスボートクラブ)

やはり入棺体験イベントを2013年から開催しているというウィルライフ(東京・港)は、機能性を重視した頑丈な紙素材(一部、国産スギ間伐材を使用)の組み立て式の棺おけを開発、販売する会社です。同社の「エコフィン イズ」は蓋の上にマジックでイラストや「ありがとう」などのメッセージを書いたり、故人の好きだった着物の布を飾ったりしてその人らしく演出できるというもの。紙素材のため環境にやさしく、1棺ごとに1本、モンゴルに木を植えるという社会貢献活動も行っているそうです。

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「送る立場」としての終活