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新世代音楽ユニット、エドガー・サリヴァンの切実な音

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NIKKEI STYLE

こんにちは、トレンドコラムニストのヨダエリです。このコラムでは、横道に入ってみたらこんなきれいな花が咲いてたよ!というような気持ちで、注目しておいて損はなしとワタシが保証するエンターテインメントを紹介していきます。

今回紹介するのは、女1人、男2人による音楽ユニット、エドガー・サリヴァン。昨年11月にタワーレコードのレーベルから1stミニアルバム『トーキョー・ネイチャー』を発売。精力的にライブ活動を展開中です。新人なのでまだ知らない方が多いと思いますが、今一番注目すべき若手バンドだとワタシは思っています。全員22~23歳。若っ。

メンバーは、もともとシンガーソングライターとして活動していたボーカルの佐々木萌(ささきもえ)、ギターの坂本遥(さかもとはるか)、ベースの高木祥太(たかぎしょうた)の3人。結成は2015年。全員が曲を作り、アレンジも手がけます。つまり、ちまたにあふれかえる「男性が練った曲を、可愛い女の子が歌う」グループではない!

彼らを初めて知ったのは、昨年11月。たまたま深夜にラジオで流れた「BABY-Gを諦められない!」で、ひと目ぼれならぬ、ひと聴きぼれ。口ずさみたくなるメロディー、心地良いサウンド、キュートだけどこびていないボーカル、色気のある男性コーラス……いい!

名前はエドガー・サリヴァン。こりゃ気になるぞとYouTubeでPV(プロモーションビデオ)を視聴。やっぱりいい。さらに「らぶ」という曲のPVを見てみると……めっちゃいい曲やん! てか、めっちゃロックやん!! 轟音(ごうおん)ギターに身をゆだねつつPVをガン見していたら、最後の演奏シーンで目から水分が。……え?まだCDも持ってない、ライブも見てないバンドの動画見てワタシ泣いてるんですが。だって、曲が切なくて、声が切なくて、演奏も、演奏してる姿も切なくて、やばい、切な死ぬ!!

これは生で確かめねば、とアルバム発売記念ライブを見に下北沢のCave Beへ。1曲目のイントロが始まった瞬間、「自分の感覚、間違ってなかった」と心の中でガッツポーズ。終わったときには、ワタシが音楽事務所かレコード会社の社長ならスカウトするなと思いました。それくらい、圧倒的な才能と可能性がきらめいていた。

ジャンル的には、エレクトロニカでありロックでありポップスであり、メジャー感のある日本語の歌ものという点でJ-POPであり、ギターからはプログレッシブロックやフュージョンも感じるし、ベースからは黒いグルーヴを感じるし……多種多様な要素が入ってる。でも、散漫な印象はない。何がやりたいのかわからない、という印象もない。むしろ、ぶっとい芯がある。

それは、エドサリ節とも言えるポップで切なくて、でも力強い世界観があるから。メロディーは、今すぐ全曲カラオケで歌わせろと言いたくなるくらいキャッチー。だけど随所にひねりがある。そう来るか!ってハッとする。でもひねりすぎていず自然。そこがいい。

歌詞にもグッとくる。繊細でみずみずしい。だけどリアルで生々しい。止まることも進むこともできない恋心を、"アクセルもブレーキも もうダメ"と歌う「ストロボ・ハート」の歌詞にはうなりました(ちなみにこの曲の作詞作曲は佐々木萌)。

ボーカルは叙情にあふれているけど感情過多にならず、押し付けがましくない。ギターはアグレッシブだけどうるさくない。ベースは存在感があるけど主張しすぎない。

つまり、自分が気持ちよけりゃいいじゃん的な自己満足に終わっていず、心地よい音楽の何たるかをわかっている。かといってそつなくまとめた優等生な音では全くなく、歌も演奏もエモーショナル。すべての音が歌ってる。3人の歌心が一つになり炸裂(さくれつ)したときのカタルシスは『トーキョー・ネイチャー』の2曲目、「ドラマチックみたい」で体感してみてほしい。(ちなみにワタシ、この曲の好きなところ30カ所くらい挙げられます。ドヤっ。)

……と、抽象的な説明だけでは何なので。皆さん、ジョン・カーニー監督の映画を見たことがあるでしょうか。アイルランド出身、『ONCE ダブリンの街角で』『はじまりのうた』『シング・ストリート 未来へのうた』などの作品が日本でも公開されています。

常に音楽が重要なテーマに据えられており、主人公たちは、それぞれの形で音楽を愛する人たち。そして全員が、何らかの寂しさや、やるせなさを抱えている。実際にミュージシャンが主要人物を演じることも多く、『はじまりのうた』ではマルーン5のアダム・レヴィンも出演、『シング・ストリート』ではラストで流れる曲を歌っています。音楽で人の心が通じ合い、震える瞬間のときめきを描いたら、今ジョン・カーニー監督の右に出る者はいません。

何が言いたいのかというと、エドガー・サリヴァンを見ていると、ジョン・カーニー作品を見ているときのような気持ちになるのです。くしくも彼らは去年『シング・ストリート』を3人で映画館に見に行ったらしく。それを聞いたときは、あぁやっぱり、ああいう世界観が好きなんだなと思っただけでしたが、今気付きました。彼ら自身がジョン・カーニー作品に出てくる主人公たちのようなんだと。現在進行形で、音楽で心を通じ合わせ胸を震わせ、覚悟と決意を胸に旅立とうとしている人たちなんだなと。

もちろんそこには、まず有無を言わさぬいい曲があって。そのうえで、表現したい、伝えたい、これじゃないと伝わらない、だからやるしかない、という切実さを歌声から演奏からビシバシ感じるのです。だからワタシは「らぶ」の動画で泣いてしまったのだと思います(ライブでも泣きました)。

そう考えると、この記事を書く前に3人に下記の質問を送ったのは、偶然ではなかったんだなと。

「映画『シング・ストリート』で主人公の少年が好きな女の子にカセットテープで自作曲を贈ったように、『トーキョー・ネイチャー』の中から好きな人に一曲贈るとしたら?」

・佐々木萌 「ストロボ・ハート」

片思いでも両思いでもダメダメになっても私はこんな私だよっていう、アピール(笑)。

・高木祥太 「ドラマチックみたい」

僕がこの曲を初めて聞いた時、恋に近い感覚を覚えたので好きな人にはその気持ちをわかってほしい及び共有したいから。

・坂本遥 「海月」

生身で恋愛にぶつかるのは苦手です。「クラゲになって、君を刺す、君を誘う」というこの曲なら「生身でぶつかれない小さな自分」が君の横にいるんだよ、っていうのも含めて気持ちを伝えられるのかも……。

まだエドガー・サリヴァンの音楽を聴いたことがない人は、これらの言葉を見てもピンと来ないかもしれません。でも、聴いてみたら、何か感じるものがあるはず。切なさと弾けるときめきと、圧倒的な良い曲が詰まった『トーキョー・ネイチャー』、だまされたと思ってぜひ。

<プロフィール>
ヨダエリ トレンドコラムニスト。東京都目黒区出身。慶応義塾大学文学部卒業。イマ・ヒト・ココロにまつわるテーマで新聞からウェブまで幅広い媒体で執筆。ドイツ在住時の思春期に洋楽に心酔して以来、ポップカルチャーに目がない。特にロックは大好物。恋愛アナリストとしてコラム執筆や電話相談も行っており、著書に『その恋、今のままではもったいない!』(情報センター出版局)などがある。

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