決められたことを本当にしっかりやる人間ですね。そして社員と向き合って経営をしようと努力しています。経営の勘所というか、経営をどうするかという問題は経験も必要ですから、これから経験を積み重ねて進化していくことでしょう。

身内を褒めるのも変なのですが、旭人で一番感心したのは、福岡市のコールセンターの責任者を7年ほど彼が担当していた時のことです。コールセンターの仕組みやシステムをゼロから完璧に作り上げたことに私は驚きました。外部から見学にきても誇れるような仕組みです。その途中で「もっと経営者として勉強しなければならない」と彼は考え、中小企業診断士の資格も2年で取りました。

そんな感じで決められたことをきちんとやりますね。今の経営を見ていて、戦略とか商品をどう見るか、番組をどう制作するかといった点では、僕の感覚とちょっと違うと感じるところもあるのですが、それは彼もわかっています。わかっているから、彼はどのようなペースで自分流に変えていくべきかを社員と向き合いながら考えているので心配はしていません。

社長を譲って2年、息子も成長した

テレビショッピング出演の最終日、長男の高田旭人氏(左)と握手する高田明氏=2016年1月15日

社長の座を譲って2年たちました。僕は経営にノータッチです。この2年の間には「ここはちょっと」と思う時もありましたが、非常にいい方向に向かっています。彼も成長したのだと思っています。

現在、旭人は38歳。社員は2500人います。僕が37歳で独立した時は、売り上げが2億円程度で社員も20人もいないような状態だったので、現在とは環境が全く違います。大組織を背負っているから、その責任を背負い、よく勉強していると思います。人間は勉強するということがなかったら成長しないと思うので、そして若い頃から経営判断を自分で行っているのでそれ自体が成長の糧になっているのかもしれませんね。

これからトップとして最後は彼が決断し、会社を回していかなければならない局面がたくさん出てくるでしょう。「(経営を)任されている」ことのつらさもあるでしょうが、任されていることの喜びもある。それで頑張れる部分もあるのではないでしょうか。

あとは、もっと経験を積みながら、人間性を磨き、経営感覚を磨いてほしい。その中で人の心を感じる局面も増えてくる。経営者としての彼の成長を見るのは楽しみですよ。社長の座を譲って2年たちましたが、本当に彼に任せて良かったと思っています。

3人の子供はいずれも自分の目標を持って「今」を生きています。それぞれ自分の意思で、自分の目標を持って前に進んでいる。これは親としてとてもありがたいことです。3人がこれからどんな道を歩むのかわからないけれど、彼らの頑張る姿を見るのは楽しみです。

最後になりますが、今はたくさんの社員がいますが、まだ十数名で始めた頃からカメラ店の仕事をしながらも受注をしたり発送などをしたり、愚痴一つ言わずについてきてくれたメンバーには言葉に言い表せないくらい感謝しています。

半年にわたり、私のビジネス人生を振り返ってきました。私をずっと貫いてきたのは繰り返しになりますが、「今を一生懸命生きる」という気持ちです。これからも日々精進で頑張っていきます。皆さんもお元気で!!

高田明(たかた・あきら)
1971年大阪経済大経卒。機械メーカーを経て、74年実家が経営するカメラ店に入社。86年にジャパネットたかたの前身の「たかた」を設立し社長。99年現社名に変更。2015年1月社長退任。16年1月テレビ通販番組のレギュラー出演を終える。長崎県出身。68歳

=おわり

(シニア・エディター 木ノ内敏久)

前回掲載「ゴルフと『伝える』ことの共通点」では、これまでとは趣向を変えて、最近のプライベートで思うことについて語ってもらいました。

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