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鉄砲漬けの語源を探る 漬物で再現する「銃身と弾丸」

漬物(7)

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NIKKEI STYLE

拙宅の近所に業務用食材の専門店がある。飲食店主らしい人物が電卓片手に大量の買い物をしている姿も見かけるが、むしろ目立つのは近所の人たちである。自慢ではないけれど私も会員カードを持っていてときどき覗いている。カード、見せてあげよか? ポイントけっこう貯まったよ。

広い店内を歩いていて飽きることがない。1日は無理でも半日はいられる。いや、2時間なら。米が安い。海苔が安い。感心するのはドレッシング類の多さである。メモしてないので具体名は省くとして、サラダ用、しゃぶしゃぶ用、ジンギスカン用、韓国料理用と大きなペットボトルに入ってずらーっと並んでいる。これだけのものが手元にあったらメニューは自由自在ではないかと思えてくる。

「業務用」と書かれたカレーの缶はバケツくらいの大きさなのに、スーパーで売っている同じ商品の家庭向け小型缶に比べて格段に安い。安いからほしい。ほしいけど買うと4、5日は同じカレーばっかり食べなければいけなくなるので買えない。

肉や加工食品もあらゆる種類のものが冷凍ケースに詰まっている。焼いた鯖の切り身がどっさり詰まった透明な袋を見ながら、あるビジネスホテルの朝食を思いだした。

「ああ、バイキングの朝飯会場で大きな皿に盛ってあったのはこれだったのか」

同じように鯖の味噌煮、サワラの塩焼きもあった。びっくりするほど安い業務用食材をお弁当に入れている店もあろう。ランチで活躍しているものもあろう。

業務用食材や冷凍食品がなければ外食産業は成り立たないだろう。

ご意見ご存知とは思いますが、冷凍食品は冷凍庫から出したばかりで霜がふいた状態で袋を破り、直接フライパンにのせたり揚げたり焼いたりゆでたりしません。
 牛丼屋でよく観察してください。あまり出ないやつは室温放置で、よく出るものは温湯槽に浸けておいて、注文がある都度、それを加工したり直接丼に盛り付けています。
 今日昼に時間がなくて飛び込んだ某牛丼チェーン店は豚汁の具だけの袋がお湯に浸かっており、味噌汁は専用加温槽に大量に入れてある。豚汁は袋から解凍済みの具を椀に入れて味噌汁を注ぐだけ。よく考えたと感心しました。豚汁を売り物にできるわけだ(沼さん)

とこのような形で私たちの胃袋におさまっているのである。

ご意見 大阪泉州には「じゃここうこ」という漬物の煮物があります。水ナスの古漬と、ショウガの古漬を塩抜きして、じゃこ(えびじゃこ)と一緒に炊きます。夏に漬けた水ナスが中まで茶色くなる翌年春ごろつくります。
 味付けはお醤油、好みでお砂糖少し、だそうです。泉州泉佐野市生まれの友人に聞きました。お店ではほとんど売っていません。泉州の家庭の味です。
 水ナスはメジャーになりましたが「じゃここうこ」を知る人は少ないでしょう(泉州住まい30年さん)
ご意見大阪では「ぶぶづけでも…」はなく、「おうどんなと食べて行かはりまっか」です。たいがいの場合「そらおおきに」とごちそうになりますが、きつねや月見が好みでも「わて素うどんが好きだんねん。うどんの善し悪しは素うどんやないと判りまへんよってな」と話題を盛り上げ、さり気ない遠慮を致します。
 お漬もんのたいたんは大阪でも致します。泉州水ナスの古漬を塩出しして雑魚(じゃこ)とたいた「じゃこごうこ」は泉州の郷土食ですし、毛馬胡瓜や越瓜(しろうり)、大根の古漬ででも致します(豊下製菓の豊下さん)

このように大阪・泉州でも名物水ナスの漬物が古くなったら煮るそうである。キュウリや瓜でも同様。従って大阪も煮る地帯に入るようであるが、それだけか。

さて本題である。「鉄砲漬け」について「赤い殺意」との関連を述べたところ「それは違うぞ」という克明なメールをいただいた。

ご意見鉄砲漬けの鉄砲は決して「トウガラシ」のぴりっとしたところではありません。「青トウガラシ」を使用し、鉄砲の筒と弾丸に見立てているところからです。
「鉄火和え」は鮪のサイの目切りを赤トウガラシ味噌で和えたもので、この鉄火はトウガラシの辛さからではなく、マグロの赤身を使用しているところから付いています。
「鉄火巻き」、これもトウガラシは使用していませんが、マグロの赤身の色からの説と「鉄火場」で簡単に食事ができることから付いています。
「鉄火味噌」は醤油・出し汁等量を煮立てて、これに炒り大豆を手早く入れ、そのまま冷まします。ゴボウを油炒めして、味噌・砂糖・酒・唐辛子・ショウガのみじん切り、先の大豆をいれ炊き合わせたもので、色が赤く辛味があるところから。
「鉄火丼」はマグロの赤身を使用するところから。
「鉄刺(てっさ)」はフグの異名の鉄砲から「鉄砲の刺身」の省略形。「鉄砲」はフグのことで、当たれば死ぬがなかなか当たらないところから。
「鉄砲串」は真っ直ぐに打つ串のこと、銃身は真っ直ぐなことから。
「鉄砲焼き」はトウガラシ味噌を塗って魚・鳥・肉を焼いたもの。
 以上、「鉄砲」の文字を使用した料理または素材は多いのですが、フグの「当たれば死ぬがなかなか当たらない」を除いては、その材料またはでき上がりが「赤い」ということです。火で焼いた鉄のように赤いというので鉄の字がついてい ます。
「鉄砲」=「辛い」の図式は当てはまりません。「鉄砲巻き」はトウガラシは使用していませんが、「鉄砲」の文字が使用されています(島野さん)

島野さんからは鉄砲漬けについてさらに詳しく述べたメールも届いている。

ご意見正しい「鉄砲漬け」は白瓜の種の部分を抜き、ここにシソで巻いた 「青トウガラシ」を入れて醤油または味噌漬けにしたものです。発祥地は「千葉県成田」です。
 周りの白瓜を鉄砲の筒に見立てて、中に入っているシソ巻き青トウガラシを弾丸に見立てるところから「鉄砲漬け」と言います。最近は、歯応えのある瓜の食感が嫌われて、キュウリで代用した「鉄砲漬け」が盛んに売れています。なお、食べる時は、5ミリ位に薄く切ります。
 鉄砲漬けのお茶漬けは最高です、ちょっとピリ辛で醤油の味が染み込んだべっこう色の憎い奴ですね。
 この「鉄砲漬け」の親戚には岩手の「金婚漬け」、三重の「養肝漬け(ようかんづけ)」などがあります。「金婚漬け」は「鉄砲漬け」と同じく白瓜を使用、中に大根・ゴボウ・ニンジン・シソの葉を昆布で巻いて詰め、醤油や味噌で漬けたものです。
 一方「養肝漬け」 は白瓜の芯を抜き、中にシソの実・葉、ショウガ、大根、キュウリ等の野菜を刻んだ物を入れ、たまり醤油で漬けたものです。名前の「養肝漬け」の由来は、初代藩主藤堂高虎が陣中食あるいは携帯食として貯蔵し、武士の肝を養う漬物としていたことからと言われています。

私は鉄砲漬けの語源を知らない。先週紹介した「たべもの語源辞典」ぐらいが頼りである。それが違っているということになるとお手上げ。わかりましぇーん。

デスクええっ じゃ、「赤い恋人」の名誉回復はどうなるの?

野瀬 名誉? 何の?

(特任編集委員 野瀬泰申)

[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]

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