通勤通学の売れ筋イヤホン 1位は左右独立の無線型
新生活シーズンということで、今回はe☆イヤホン秋葉原店に通勤通学向けに売れているイヤホンの売れ筋を取材した。
同店広報の松田信行氏は「最近は、5000円以下でもかなり音質のいいイヤホンが増えています。さらに、ワイヤレスで2000円台のモデルもあって、ぜいたくに選べる好ましい状況ですよ」と話していた。
季節性の高いテーマということで、ごく最近の売れ行きからランキングを解説してもらったが、3位以降は混戦気味ということでベスト8まで紹介しよう。ランキングは以下のようになる。
1位●VA-BH001、VAVA、9999円(税込み)
左右独立型のBluetoothイヤホン。連続音楽再生は約2時間、連続通話時間は3.5時間となる。IPX4の防汗仕様で、重量は2個合計で12.8g。e☆イヤホンの先行独占取り扱いモデル。
2位●TT-BH07、タオトロニクス、2699円(税込み)
フル充電で最大6時間再生可能なBluetoothイヤホン。Bluetooth 4.1+aptXに対応し、マイクも内蔵する。イヤーチップとフックが3タイプ付属。カラーはブラックとグリーンとなる。
3位●Co-Donguri雫、茶楽音人、4300円(税込み)
ドングリ型のデザインを採用した有線イヤホンで、上位の「Donguri-楽」のコンセプトを踏襲している。ハイレゾ対応をうたい、カラーバリエーションは限定色含めて5種類ある。
4位●SHE971x、フィリップス、2980円(税込み)
φ8.6mmのドライバーを採用したワイヤードタイプの入門機のロングセラー。カラーはブラックとレッド、ホワイト、ブルーの4種類をそろえる。ケーブルキーパーが付属する。
5位●CARBO BASSO、ZERO AUDIO、3920円(税込み)
CARBOシリーズのなかでも重低音を強化した作りのワイヤードモデル。φ8.5mmのドライバーを採用しており、カラーバリエーションはブラック1色となる。
6位●WHITE TENORE、ZERO AUDIO、4374円(税込み)
先行する「CARBO TENORE」のホワイトカラーモデル。ワイヤードのダイナミック型で、コードの絡まりを防止するマグネットクリップを新たに付属している。
7位●SE215m+ Special Edition、SHURE、1万2270円(税込み)
1万円台の定番モデル「SE215」と同じドライバー、「SE215 Special Edition」と同じチューニングを施したマイク内蔵モデル。ホワイト一色で、リケーブル対応モデルとなる。
8位●碧(SORA)、アンティーム、4830円(税込み)
独自開発のセラミック製「VCツイーター」とφ10mmダイナミックウーハーを組み合わせたハイブリッドなカナル型モデル。ハイレゾ対応のワイヤードタイプとなる。カラーは1色。
ワイヤレスで3000円を切る「TT-BH07」や、5000円以下で定番の「Co-Donguri雫」に「SHE971x」などを抑え、左右独立型のトゥルーワイヤレス型イヤホン「VA-BH001」がトップに入るという意外な構成となっていた。松田氏は「イヤホンジャックを廃止したiPhone 7/7 Plusが2016年9月に登場して以来、ワイヤレスとともにトゥルーワイヤレスの需要も高まっているのも重なっていると思います」という。
[注]掲載している価格は2017年2月23日15:00時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見ていただきたい。
左右独立型で1万円切りの「VA-BH001」、ワイヤレスで3000円切りの「TT-BH07」
・5000円の予算があれば、人気のワイヤレスタイプも選択肢に含まれる
・予算を1万円まで増やすと、左右独立型のトゥルーワイヤレスも手が出せる
・個人差や製品差があるので、音漏れチェックは友達や店員に頼むのがベター
トップとなったのは、VAVAの左右独立型Bluetoothイヤホン「VA-BH001」。2017年2月に同店で先行取り扱いが始まったばかりの製品で、税込み1万円以下で左右独立型が買える割安感と、発売直後の勢いがランクを押し上げたようだ。
1万円を切る価格ながら、音質の評価も高いという。「あまり味付けのないピュアな音を出してくれるので、飽きがこないですね。外観もコンパクトでシック。左右独立型を試してみたいという人に注目されています」
左右独立型は、通勤通学時の満員電車にもまれて紛失しやすいというデメリットがあるが、そこもVA-BH001の売れ行きにプラスに働いているところがあるらしい。「注目の左右独立型が欲しいけれど紛失が怖い。だからなるべく安いものを……というニーズが1万円切りの割安感に響いているのだと感じます」
続く2位は、タオトロニクスの「TT-BH07」。Bluetooth 4.1+aptXに対応するワイヤレスタイプながら税込み2699円という割安さが受けて、昨年末から安定して売れているという。
「イヤホンはワイヤレス型の人気がすごく盛り上がっています。そのなかでも、入門機クラスの価格帯まで下りてきて購入層を一気に広げているのがTT-BH07です。税込み2299円のさらに安い下位モデル(TT-BH06)もありますが、ハウジングのコンパクトさと全体の外観の良さから、圧倒的にコチラが売れています」
3位~6位は、5000円アンダーの売れ筋が拮抗している
3位から6位には、5000円以下の価格帯のワイヤードタイプが僅差でひしめいている。「入門クラスの定番がほとんど横並びになっています。ひと昔前みたいに『この価格帯で音質重視ならコレ』みたいな感じではなく、それぞれが個性のあるいい音を聴かせてくれるので、『バランス重視ならコレかコレ』『重低音ならコレ』というように、好みでそれぞれの製品が積極的に選ばれていく印象があります」という。
3位の茶楽音人「Co-Donguri雫」は、デザインとカラーバリエーションが好評で男女ともに人気のあるモデルで、「全体の解像感の高さもガツンとくる低音も欲しいという人に人気ですね。特に、ポップス系にお薦めです」という。
4位のフィリッス「SHE971x」は、入門機の定番として数年スパンで売れ続けているモデル。「バランスが取れた飽きのこない音を求める方に売れています」。
5位のZERO AUDIO「CARBO BASSO」はキャラクターが分かりやすく、重低音を効かせたい人に売れている。「重低音に特徴がありますけど、ほかの音域もしっかり耳に届くので、聞き比べたうえで選ばれていきます」
6位のZERO AUDIO「WHITE TENORE」は、CARBO BASSOに対するバランスモデルといえる「CARBO TENORE」のホワイトカラーモデルで、バランス重視の女性に好評だ。「ホワイトモデルの訴求力は相当強いものがあります。聞き比べて迷っていても、最終的にカラーで選ばれるということもよくありますから」
ワンランク上の通勤通学環境を整えたい人向けの「SE215m+」と「碧(SORA)」
3~6位集団のすぐ後ろに付けているのが、7位のShure「SE215m+ Special Edition」だ。ロングセラーの「SE215」と同じドライバーを搭載し、チューニングはこれも定番の「SE215 Special Edition」と同じにしたモデルで、マイクを内蔵しているのがポイントだ。「スマホにつないでハンズフリー通話したいという人は増えていますからね。いい音でなおかつマイク内蔵で、リケーブルもできるというところがポイントです」
そのうえで、ホワイト系のカラーリングから、女性の指名買いやプレゼント需要も高いそうだ。
そのSE215m+のライバル的な売れ方をしているのが、8位に入ったアンティームの「碧(SORA)」だという。税込み4830円の価格帯的には3位集団が比較対象になりそうだが、「独自開発のツイーターとダイナミックウーハーの音がものすごく評判で、価格というより音質で注目されているところがありますね。日本製というところも人気を後押ししていると思います。とにかく音に透明感があるので、ぜひ店頭で試聴してみてほしいですね」
はみ出し情報…ワイヤレスヘッドホンの注目株は「Bose SoundLinkAE II」
通勤通学用となるとコンパクトなイヤホンが中心となるが、ヘッドホンを求める人も少なからずいるという。とくに最近盛り上がっているのはワイヤレスヘッドホンだとか。「ここ最近のワイヤレスイヤホンの勢いも影響して、ワイヤレスヘッドホンも売れ行きが伸びています。仕事中も取り回しが楽ということで選ばれる方も多いですよ」
なかでもビジネスパーソンによく指名買いされているのが、ボーズの「Bose SoundLink around-ear headphones II」(SoundLinkAE II)だという。取材時の税込み価格は3万2400円。「シックなデザインでスーツによく合いますし、ノイズキャンセリング機能が付いているので、周囲の雑音をシャットダウンして仕事に集中したいときにも使っているという人はよく聞きますね」とのことだ。
1977年生まれ。建設業界と葬祭業界を経て2002年にライターへ転職し、テクニカル系の記事執筆と死の周辺の実情調査を進める。
[日経トレンディネット 2017年2月28日付の記事を再構成]
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