2017/3/23

エンタウオッチング

でんぱ組.inc 2008年結成の6人組女性アイドル。4つ打ちやテンポの早いロックサウンドを武器に、従来のアイドル好きだけでなく、ロックファンにまで幅広く支持されている

遠藤氏が担当するロックバンドKEYTALKは、14年発売の『MONSTER DANCE』で、振り付きのダンスを観客に踊らせるミュージックビデオを作成する試みも行っている。「ロックバンドが曲に振りを付けるのは珍しいのですが、『MONSTER DANCE』ではお客さんも振りに合わせて踊ることを楽しんでいるようです」(遠藤氏)

3つ目の理由は、マネして踊りやすい楽曲が交流サイト(SNS)で人気を集めることだ。YouTubeなどで「踊ってみた動画」が拡散されると、さらなる話題につながる。星野源の『恋』も、“恋ダンス”が一般人から有名人まで多くの人にマネされ、公式ミュージックビデオのYouTube再生回数が1億回を突破。世界的ブームとなったピコ太郎の『PPAP』(16年)、AKB48の『恋するフォーチュンクッキー』(13年)も同様に1億回を超えている(3月上旬時点)。3曲はいずれもSNSでの拡散によって国民的ヒット曲へと成長した。

もっとも、この「マネして一緒に踊る」という楽しみ方は、全く新しいカルチャーではないという見方もある。「盆踊りのような、日本人が本来持つ『祭り』や『踊り』といった大勢が集まって共有する体験に対する欲求が、顕在化してきたとも考えられる」(遠藤氏)。ある意味、伝統的な文化であるが、それがライブやフェス、SNSといった今の時代にあった楽しみ方に形を変えたのが、昨今の「踊れる曲」拡散現象ともいえそうだ。

(「日経エンタテインメント!」3月号の記事を再構成。文・中桐基善 写真提供 rockin’on japan)

[日経MJ2017年3月10日付]

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