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ニトリ会長 夕張再生、不可能で壮大な長期ビジョンを ニトリホールディングスの似鳥昭雄会長に聞く

2017/3/11

ニトリホールディングスの似鳥昭雄会長

1997年11月に北海道拓殖銀行が破綻して以来、長い低迷から抜け出せずにいる北海道。その象徴が10年前、財政破綻した夕張市だ。一方、67年に「似鳥家具店」として北海道で産声をあげ、今や国内最大手の家具小売店に成長したニトリホールディングスは、北海道企業のフロントランナーとしてひた走る。「北海道への恩返し」と似鳥昭雄会長は昨年、企業版ふるさと納税の第1号として夕張市に5億円の寄付を表明。きょうも「ロマン」を追いかける似鳥会長の視線の先には、景気低迷にあえぐ北海道の再生がある。

■雇用も生み出してほしいが

――夕張市は再生計画を見直しました。緊縮財政一辺倒でしたが、113億円の新規事業を実施します。ニトリは企業版ふるさと納税以前から、10年にわたり夕張を支援しています。夕張の現状をどう見ていますか。

「やっぱり難しいよね。札幌から1時間30分かかる陸の孤島で、目立った観光もない。ただ、今の若い鈴木直道市長が市政を引き継いで、やりくりしながらも順調に再建しているし、よく努力していると思う」

「夕張は山あいにあるうえ、人口に比べて広い場所に人が住んでいる。公共の水や電気など、あらゆるものの経費がかかるから、宅地を集約する施策は非常にいい。今回、我々の寄付したお金で市民の皆さんが集まれる(子育て支援などの)施設ができるのはいいことだとも思うが、本音をいうと観光など、何か人を呼ぶようなものや雇用を生み出せる何かに使ってほしいと思っていた。それが少し残念」

「国や地方が苦しんでいるのも同じだと思うけど、夕張が破綻したのも箱物をつくりすぎたから。同じお金を出すなら人を将来呼ぶようなものがいいと思った。ただ市長は、今は住民の集まる場所がないので、それをつくりたいということで。今の夕張は攻めるより維持や住民の便利さを優先するということだと理解した」

■北海道への恩返し

――企業版ふるさと納税で、ニトリの5億円は制度が始まって以来、最大規模です。なぜ寄付を決めたのですか。

「ニトリは北海道に育ててもらった。夕張の破綻は北海道の低迷の象徴。10年前、破綻のニュースを聞いて非常に驚いたし、残念だった。夕張に寄付するのは北海道への恩返しの1つかと思った。明るいニュースを届けるには早いほうがいいと、第1号になることを決めた」

――企業版ふるさと納税の普及が進んでいません。どう感じていますか。

「地方自治体に企業が寄付できる仕組みはいいね。何より、広く浅く寄付するよりも、(ある地域に)集中して寄付できるのがいい。この10年、総額で100億円ほど寄付している。北海道中心だが、東日本大震災では30億円ほど寄付した。熊本の地震でも、お金より毛布や寝具のほうがいいと何万枚も被災地に送った。もうけている企業が利益の一部をお返しする、というのは欧米では普通だけど日本ではなかなか根付いていないよね」

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