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出産・育休後の「マミートラック」、会社一丸で解消

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NIKKEI STYLE

育児中の女性が補助的な仕事ばかり与えられ意欲を失う例は少なくない。こうした「マミートラック」が生まれる要因の一つには、長時間労働を是とする働き方がある。それに気づいた企業では、組織全体で働き方改革を進めている。

日本航空 「不夜城職場」から脱却

「あなたたちの女性活躍推進は3周遅れよ」。2012年に社外取締役に就任した岩田喜美枝氏の言葉に、日本航空は虚を突かれた。新卒で採用された総合職女性のうち30代で残っているのは3割。残り7割は退職していた。経営破綻を乗り越えたという特殊な事情はあるが、それでも高水準。社員の5割を女性が占めるが管理職女性は15%。社員の半数を活用できていない現状に「経営上の危機」との認識が広まった。

それまで同社が進めてきたのはベビーシッター費用の補助などで、復職後に安心して職場に戻れるような働き方そのものを整える支援が不十分だった。時間のない育児中の女性に対し、上司は気遣いも込めて負担の少ない仕事を回しがち。長時間労働が常態化した職場では、すぐさま連絡がとれない育児中の女性に重要な仕事は任せられないという判断もあった。結果、「30歳前後の重要な時期にキャリアを積めず管理職に昇進できない『マミートラック』に陥りがちだった」(人事部アシスタントマネジャー久芳珠子氏)。

「多様な人材の活躍推進こそ、競争に打ち勝つための経営戦略」(植木義晴社長)という方針のもと、同社が進めたのは長時間労働からの脱却だ。紙の書類を廃止しすべてクラウド化。端末さえあればどこでも仕事ができるようにした。

14年開始の在宅勤務の利用者の7割が男性で管理職では3割。「女性だけでなく誰もが当たり前に制度を利用できることが重要」と人事部の久芳氏は語る。制度を活用する調達本部の近藤明香さん(35)は「育児と仕事の両立には現場の上司の理解が不可欠。上司も在宅勤務を利用しており、理解が得やすい」という。

日本企業の多くでは、育休復帰後にフルタイムに戻れるかどうかは「本人の意識の問題」とされることが多かった。これに対し「女性だけの働き方を変えても意味がない」と語るのは、日産自動車ダイバーシティディベロップメントオフィス室長の小林千恵さんだ。

日産自動車 在宅勤務使いフルタイム

日産では在宅勤務制度やフレックス勤務制度の拡充を進める。育児や介護などの事情がある社員に限定していた在宅勤務制度を10年に全社員に適用。15年に1日8時間労働を意識する「ハッピー8」を全社員に徹底しコアタイム無しのフレックス制度も導入した。在宅勤務は今年度約5000人が利用し、年休の取得も1人平均18日以上と日本企業でトップクラスだ。

「育休復帰後に時短勤務を選択していたら、今の働き方は実現しなかった」。こう語るのは、グローバルアフターセールス事業本部の福田りささん(38)だ。2歳の子どもを育てながらフレックス制度や在宅勤務制度を活用しフルタイムで働く。夜6時に保育園に子どもを迎えに行き世話を終えた夜9~10時にかけて、豪州や米国などとやりとりをしながら勤務を続ける。

福田さんは妊娠中に上司に勧められて受験した昇格試験に合格。育休からの復帰と同時にアシスタントマネージャーに昇格した。産休・育休を控えたタイミングで昇格試験を勧める背景には「会社から期待を伝える意図がある」(小林室長)。福田さんは「妊娠中でもチャンスをもらい、ありがたかった」と語る。

SCSK スカイプで会議に参加

「時短勤務時代は子どもにも周囲の社員にも負担をかけていると感じた」。こう振り返るのはSCSK基盤インテグレーション事業本部の馬場綾さん(36)。3児の母だ。同社は15年から自宅やサテライトオフィスでの勤務を始め、社員1500人を対象に月3回以上の社外勤務を推奨する。対象を広げ17年度には全社員に適用する。

15年度の残業時間は平均月18時間。ノー残業が当たり前になるにつれ、育休から復帰した社員がフルタイムでの勤務を希望するようになった。フルタイム希望者は16年度は25%と、3年前と比べ9ポイント増加。残業をしたくないから時短で働く社員もいたが、定時で帰れるようになり必要のない時短勤務は無くなった。

「子どもの病院や、学校の役員会があるときは、在宅勤務や1時間単位でとれる有休を活用する」(馬場さん)。会議は部内の全員が自宅や客先などからビデオ通話ソフト「スカイプ」で参加することも珍しくない。今では在宅勤務について「全く引け目は感じない」(馬場さん)という。

トップの号令、欠かせず~取材を終えて~

働き方改革には何が必要か。取材する中で頻繁に聞いたのが「トップのリーダーシップがものをいう」という言葉だ。従来の働き方で成果を出してきた社員からの反対を押し切る力なしには改革は難しい。SCSKも、中井戸信英元会長(現相談役)の旗振りがあってこそ。「業績が下がっても構わない。社員が健康に働ける環境が第一だ」と語り改革を断行。2012年から取り組み、残業時間は半減。日本航空も「在宅勤務といいながら勤務時間内に遊ぶようになったらどうする」との反対を押し切ったのは植木社長だ。

気になるのは業績への影響だ。生産性が一定なら社員の労働時間が1時間減れば1時間分の収入は目減りする。労働時間減をカバーするには業務効率化など生産性向上の取り組みが欠かせない。SCSKでは当初、業績下落が懸念されたものの改革後は右肩上がりで業績は伸びた。懸念は杞憂(きゆう)に終わった。

(山本紗世)

〔日本経済新聞朝刊2017年3月13日付〕

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