津山城(岡山県津山市)――高石垣に押し寄せるピンクのさざ波

津山城跡は鶴山公園としても知られ、公園内の桜は高石垣のまわりを埋め尽くすように咲き誇る。本丸から望むと、まるでピンク色のさざ波が立っているかのようだ。さくらまつりの期間中はライトアップされ、コンロやテントの貸し出しなどもあり、夜遅くまで多くの宴席でにぎわっている。

津山城の石垣は、国内でも屈指の規模と高さがある。山の勾配にあわせて何重にも石垣が連なっており、かつては城内に60棟もの櫓(やぐら)が築かれ、山全体が要塞化されていた。櫓の数は姫路城や熊本城などをしのぐ全国トップクラスであったのだが、残念ながら明治の廃城令ですべて失われてしまった。2005年に備中櫓が木造再建され、景観にアクセントを加えている。

桜に埋め尽くされた津山城。右奥が復元された備中櫓=PIXTA
ライトアップされた城内=PIXTA

桜の見ごろ:4月上旬~4月中旬
イベント:津山さくらまつり(武者行列)(4月1日~15日予定)
アクセス:JR津山駅から徒歩約10分

姫路城(兵庫県姫路市)――桜の回廊を巡り、世界遺産の城をめでる

日本を代表する城であり、世界遺産にも指定されている姫路城。その白く優雅な姿から「白鷺(しらさぎ)城」の異名を持つ。平成の大修理後は「白すぎ城」として話題になったが、大天守の瓦を接着するために白しっくいが徐々に黒ずみ、遠目に見ると「薄めのグレー」という印象になってきた。姫路城というと大天守ばかりが注目されるが、見ていただきたいのは縄張り(城の構造)の複雑さだ。天守に向かって歩いていたはずが、気づいたら天守に背中を向けていることが往々にしてある。これは築城者の意図どおりで、姫路城では簡単に天守に近づくことができないような構造になっているのだ。

とはいえ、やはり絵になるのは大天守である。桜に彩られた天守は、「ザ・ニッポン」と言いたくなる光景だ。桜の散策をする人に向けて、城内外には「千姫の回廊」「お城やしき回廊」「城下町の回廊」といったお花見ルートが設定されている。「さくらの大回廊」というパンフレットが配布されているので、観光案内所などで探すか、姫路市のHPからダウンロードするとよいだろう。縄張りもていねいに見ながら、「日本の美」をじっくり味わいたい。

イーグレひめじの屋上展望台から見た夕焼け=shutterstock
桜の見ごろ:3月下旬~4月中旬
イベント:姫路城観桜会(4月8日予定)、姫路城夜桜会(4月3日~9日予定)
アクセス:JR姫路駅から徒歩約20分

金沢城(金沢市)――城の顔である石川門を飾る桜並木

前田家の居城であった金沢城は、加賀藩100万石にふさわしい規模と優美さを誇る。戦後長らく金沢大学のキャンパスとして利用されたが、大学移転後、「平成の築城」として多くの建物が復元された。復元はすべて江戸時代の史料に基づき、伝統工法を用いて建てられている。建物内部では復元工事や工法の解説が詳しくされているので、目を通してみよう。また、金沢城では石垣の積み方にも注目したい。自然石をそのまま積んだごつごつとした最初期の石垣から、石を長方形にきれいに加工して隙間なく積んだ石垣まで、さまざまなタイプの石垣を鑑賞することができる。

城内でもっとも有名な花見・撮影スポットは石川門。石川橋をはさんだ兼六園側から見ても、橋を下って百間堀跡から見上げても絵になる。かつては水堀だった百間堀跡の公園では、多くの人がシートを広げ、花見に興じていることだろう。ほかにも二の丸の水堀や新丸広場など桜並木が多く、城全体がお花見スポットといえる。見事な桜と復元建造物を撮影していたら、1日があっという間に過ぎてしまう。

百間堀をはさんだ兼六園側から見た石川門(提供:滝沢弘康)
二の丸水堀の桜並木(提供:滝沢弘康)

桜の見ごろ:4月上旬~4月中旬
イベント:観桜期ライトアップ(4月上旬~予定)
アクセス:JR金沢駅からバスで「兼六園下」下車、徒歩約5分
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新発田城(新潟県新発田市)――丁字形の屋根を持つ三階