アジアREITの妙味 日本の高度成長期のような成長性世界のどこに投資する?(18)海外不動産

2018/3/21
アジア新興国では人口が増え続けている(台湾の夜景)=PIXTA
アジア新興国では人口が増え続けている(台湾の夜景)=PIXTA

今回は海外の不動産投資信託(REIT)の中でも、アジアREITの投資妙味を探る(前回の『利上げの影響は軽微? 米国REITの仕込み時到来か』はこちら)。中国や東南アジアでは高度の経済成長を背景に不動産の価値が上昇。しかし、外国人が土地を取引できないなどの規制に加え、計画通りに建設が進まないなど新興国ならではの障害がある。個人が個別の不動産案件を手掛けるのは難しいが、プロの運用者はアジア不動産市場をどう見ているのか。日本で買えるREITファンド「アジア好利回りリート・ファンド」の運用を担う三井住友アセットマネジメントの秋山悦朗シニアファンドマネージャーに聞いた。

香港には増配率年10%の大型REITも

――アジアの不動産市場はどのような状況か。

三井住友アセットマネジメントの秋山悦朗シニアファンドマネージャー。アジアだけでなく世界の不動産市場動向に目配りしている

「中間所得層が拡大していて、不動産市場も成長段階にある。国によっては豪華なショッピングモールなどの商業施設や物流施設、ホテルなどの不動産開発案件が相次ぎ誕生している。かつて1970年代、『一億総中流』といわれ中間層の消費増が経済をけん引してきた日本と同じ道を歩んでいるイメージだ。アジア開発銀行(ADB)によると、アジアの経済規模は2050年に世界の約半分まで膨らむ。経済成長のペースは速いと言える」

――組み入れ銘柄を見ると香港やシンガポール、オーストラリアの不動産物件がほとんどだ。その理由は。

「香港やシンガポールは貿易の中継拠点で、巨艦・中国や東南アジア、豪州の不動産投資を手掛ける主要REITがあるためだ。例えば香港のリンク・リート(18年2月末時点の組み入れ比率は約9%)は世界の時価総額上位銘柄に入り、年10%前後の増配率を維持している。

当REITファンドの組み入れ上位10銘柄のうち、シンガポールのREITは6銘柄、オーストラリアのREITは3銘柄、それぞれ入っている。シンガポールはアジア・オセアニアの拠点としてREITが集中している。オーストラリアのREITの時価総額は約11兆円と、日本(12兆円)とほぼ肩を並べる規模だ。同国には育児施設や農業のREITなど独自性の強いREITもある」

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