マネー研究所

マネーのみかた

マイナス金利でも諦めるな 有利な円預金はまだある 第4回 円預金と銀行付き合い

2017/5/17

現在、メガバンクの定期預金金利は全て0.01%で横並びに。普通預金に至っては0.001%だ

 少し前ですが、「20代の若者の約半数が自分の貯蓄額(銀行の口座残高)を把握していない」という調査結果のネット記事を読み、私(マネー研究所編集長の大口)はビックリしました。自分がいくら持っているかを知らなければお金を増やすのは無理でしょう。恐らく「賃金が上がらない中では生活が優先で、貯蓄どころではない」ということなのでしょうが、若者の間には「マイナス金利時代だから銀行に預金しても増えない。お金のことなんて考えるだけ無駄だ」という諦めの気持ちもあるのかもしれません。

 ただマネー記者25年の経験から言いますと、お金というのは不思議なもので、増やすことを諦めた瞬間に「お金から縁遠い、たまりにくい人」になってしまうようなのです。超低金利の中でも、「少しでもいいから有利に増やせる方法はないのかな」と諦め悪くアレコレ探す人の方に多く集まる、とでも言いましょうか。

 円預金にしても、考えるのをやめてしまえば「0.001%の普通預金に放置」という最悪の事態になってしまいますが、探せばメガバンクの定期預金の数十倍の金利を付けるネット銀行は見つけられますし、よりメリットの多い別の銀行を見つけてメインバンクを乗り換えても誰にも怒られないのです。諦めずに行動を起こせば事態は多少マシになるということですね。そこで今回は、ちょっと有利な円預金や注意が必要な円預金、銀行との賢い付き合い方などを動画で解説してみました。

 1本目の動画では、メガバンクの定期預金金利が0.01%という今の金利環境だと100万円を1年間預けても手取り利息は80円を割るという話をしています。一方で銀行ATMの時間外手数料は静かに引き上げられてきており、関係者は「日本では預金者から直接口座管理料を取るのには抵抗が大きいので、形を変えて取っている面がある」(A銀行)と打ち明けます。1回あたり108円、時間によっては216円という結構な額がかかり、結果として100万円の利息は1回で吹き飛びますので、時間外引き出しを何度も繰り返さないことがまず重要です。その上で、どう行動すればこの手数料がかからない状態にもっていけるか(例えば三井住友銀行ならインターネットバンキングを申し込んだ上で、口座に30万円の残高を置いておくなど)を解説しました。

 次の動画では「今どきの少し有利な円預金」を紹介しています。有利といっても0.25~0.5%くらいの話ですから水準は低いのですが、メガバンクの定期預金金利は今は(金額・期間にかかわらず)0.01%なので、比べれば25倍とか50倍になります。他には預金に近い性格の金銭信託にも見るべきものがあります。一方で「注意した方がいい預金」として挙げたのが、「年当たりでは高金利に見えるが、実際の預入期間が3カ月など短いもの」。円定期で年1.2%と書いてあると食指が動きますが、3カ月しか預けられないのなら受け取れるのは4分の1だけですよね。誤解を招きやすい商品です。

 もう一つ、投資信託や外貨預金のようなリスク商品とセット販売されている高金利の円預金にも気を付けるべきでしょう。これは5~7%などと30年前のような金利が付いていることが多いのですが、例によって預入期間は3カ月とか6カ月。多くは「退職金プラン」として売られており、言葉は悪いのですがそれまで運用のことをあまり考えてこなかった人に向けた「まき餌」の性格が強いのです。私は投信は投信、外貨預金は外貨預金で、それぞれコストなどをよく調べた上で「タイミングを見計らって」買うべき商品だと思っていますので、円定期の高い金利に釣られて一度に買うのは全くお勧めしません。もちろん、片方のリスクを熟知している人がもう片方の高金利をあえて取りに行くなら問題なしですが……。

 最後の動画では「仕組み預金とは何か」を解説しました。これは円で預けたのに金利や為替の環境次第では外貨で返ってくるとか、最初に預入期間が決まっておらず最長10年まで満期が延びる(中途解約もできない)、といった変わり種預金です。これらは悪い商品というわけではなく、前者は予想が当たれば通常の円定期より大きく増える面白みのある商品ですし、後者でも10年間全く使わないお金なら問題は起こりません。つまり上級者が内容を理解した上で使う分にはいいのですが、仕組みが分からないうちは、表示されている高金利に引かれて飛びつくのはやめた方がいいでしょう。「預金」と言いながら元本保証がないものが多いなど、通常の円預金とはまるで別物だからです。

(マネー研究所編集長 大口克人)

マネー研究所新着記事

ALL CHANNEL