「筋肉にすべてをかけました」──意外な言葉で驚かせるのは、女優の広瀬すずさん。ハードな練習を重ねて臨んだ映画で、彼女が頼りにしていた意外なモノとは? またプライベートで「いつのまにか30~40個集まっていた」というアイテムは?
チアダンスの遅れ、根性で取り戻す
2009年、米国・フロリダ州オーランドで開催された全米チアダンス選手権大会で、福井県の高校が総合優勝した。広瀬さんが主演する『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』(3月11日公開)は、優勝した福井商業高校チアリーダー部「JETS」をモデルにした青春映画だ。
◇ ◇ ◇
『チア☆ダン』の台本を最初に読んだときは、「こんな奇跡みたいな話が、本当にあったんだ」と思いました。読みながら、笑って、泣いて、撮影が楽しみになりました。ただ、『ちはやふる』(2016年)で競技かるた、『四月は君の嘘』(2016年)でバイオリンと、ずっと練習が必要な作品が続いていたので、「次はチアダンスかぁ……」とも思いましたけど(笑)。
私が練習になかなか参加できず、JETSのメンバーから取り残されている時期があったんです。みんなはチアがうまくなっているのに、私だけできてない。それが悔しくて……。負けず嫌いなので、そうとうメラメラしていました。家ではひたすら自主練をして、撮影現場では、みんながしゃべりながらストレッチしている時も、私は誰ともしゃべらず、さっとストレッチを済ませて、ダンスの確認をしていました。遅れは根性で取り戻せたかな、と思います。
◇ ◇ ◇
「根性で遅れを取り戻した」という広瀬さんだが、連日、チアダンスをしながらの演技はかなりハードだったという。そんなときに役に立ったモノがあった。
撮影中は関西のおばちゃんみたいに……
とにかく毎日体を動かしていたので、撮影中、筋肉にすべてをかけていましたね(笑)。毎日、湯船につかって、ストレッチやマッサージをして、体をほぐす。その繰り返しです。でもストレッチばかりひたすらしていると、筋肉が伸びたまま固まることがあるらしくて、1カ月くらい、筋肉が一切伸びなくて困った時期があったんです。
これはなんとかしなきゃと思って、整体の先生に教えてもらったのが「筋膜ローラー」です。これを使うと、筋膜がはがれて、固まった筋肉を緩ませることができるというんです。さっそく、スポーツ店に探しに行って買いました。
◇ ◇ ◇
筋肉を包み込んでいる筋膜の萎縮や癒着をはがすことで、正常な筋肉の状態に戻す筋膜リリース(筋膜はがし)。そのために使う「筋膜ローラー」は、多くのアスリートやボディービルダーが愛用しているという。
◇ ◇ ◇
買った筋膜ローラーは2種類。わりと大きい筒状のローラーと、小さくて片手でできるローラーを買いました。
筒状のものは腕立て伏せみたいな体勢になって、体重を全部乗せて転がすんですけど、これが、涙が出るほど痛いんです(笑)。でも、それを乗り越えれば筋肉が軽くなるし、体も軟らかくなってケガもしにくくなる。だから毎日のように使っていました。小さいタイプは腕や脚に使いました。
もう一つ使っていたのがテニスボール。お尻やももの下に敷いて転がすと、筋膜はがしになるんです。だからごはんを食べるときもテニスボールは欠かさない(笑)。撮影中はずっとそんな生活で、バッグの中には、常に筋肉グッズが散乱していました(笑)。
筋膜ローラーは、JETSのメンバーの分も買って、「使うといいよ」とプレゼントしたんです。あと、整体にも行っていたので、良かったところを教えたり。「これがいいらしいよ」「あそこがよかったよ」って、まわりから見ると、関西のおばちゃんみたいになっていたと思います(笑)。
◇ ◇ ◇
2016年には『ちはやふる』『四月は君の嘘』に主演し、今年も『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』『先生!』『三度目の殺人』という出演作が控える。10代のトップ女優になった彼女がプライベートではまっているモノとは?