スタンフォード一番人気の授業 会計学が魅力的なワケスタンフォード大学経営大学院 ブランケスプール助教授に聞く(1)

会計は人間的なコミュニケーションツール

ブランケスプール助教授の授業は活発な議論が魅力だ (C)Ivan Lvov

佐藤:なぜ経営者や管理職をめざす人は、会計を学ぶべきなのでしょうか。

ブランケスプール:会計は、ビジネスのすべての分野に関わってくるからです。あなたが社員であっても、あるいは、社外のアドバイザーであっても、会計の知識は不可欠です。なぜなら、それがなければお金の流れがわからず、会社にインパクトを与えられないからです。

会計は、数字、会計基準、ロジックがすべてだというのは簡単です。データをとりだして、それをエクセルにインプットして、その結果から情報を読み解く。それが会計だろうと。しかし、数字を使って機械的に情報を得ることだけが会計の目的ではありません。会計上のあらゆる数字は、人間の行動や決断の結果なのです。そこまで読み取るのが、会計学なのです。

私が授業でいつも言っているのは、「会計はコミュニケーションツールだ」ということ。財務情報をやりとりするのに、これほど有意義な手段はありません。数字は膨大な情報を象徴的にまとめて伝えてくれます。そこで忘れてはならないのは、その背景にいる人間の存在です。会計とは極めて人間的なものなのです。

佐藤:会計が人間的な学問だというのは、初めて知りました。

ブランケスプール:会計の基準設定主体は、意思決定者にとって役立つ情報を与えるにはどのような基準がベストかと考え、意思決定者は、この目的のためにはこの会計情報をどう生かしたらよいかと考え、株主は株主の視点から会計情報を読み取ります。人間がルールをつくって、人間がそれぞれの立場から、利用するためのものなのです。

エリザベス・ブランケスプール Elizabeth Blankespoor
スタンフォード大学経営大学院助教授。専門は会計学。財務報告と企業情報開示をテーマに幅広く研究。MBAプログラムでは選択科目「国際財務報告」を教えている。「BPと偶発負債」「フェデックスと年金会計」などの教材も執筆。2016年6月、学生が選ぶ最優秀教授賞を受賞した。
今こそ始める学び特集
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら
注目記事
今こそ始める学び特集
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら