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ファッションにもトランプの影 NYコレクション報告

宮田理江のおしゃれレッスン

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NIKKEI STYLE

米トランプ政権の誕生はファッションの風向きにも影響を与えそうです。2月に開催された、2017-18年秋冬シーズン向けのニューヨーク・ファッションウイークでは、「政治」が最大のテーマとなりました。主なブランドのランウエーから、基軸トレンドは前シーズンを引き継ぎながらも「ダイバーシティー(多様性)」をキートーンに一段と主張を強めた新トレンドをピックアップしてみましょう。

ALEXANDER WANG(アレキサンダー ワン)

移民に厳しく、白人男性の支持を集めるトランプ政権の姿勢は、世界有数の移民都市であるニューヨークのモード界から反発を浴びています。デザイナー自らもアジア系である「ALEXANDER WANG(アレキサンダー ワン)」は、アフリカ系が多く住むハーレム地区にある廃劇場を会場に選びました。マンハッタン島中心部のミッドタウンでの開催が一般的なファッションショーがハーレムで開かれるのは、極めて異例なことです。ショーの音楽もヒップホップを流し、ブラックカルチャーの気分を濃くしました。

装い自体も黒ジャケットに黒タイツといった全身真っ黒のカラーリングを軸に据えています。レザーのショートパンツをはじめ、黒革のウエアを押し出して、ストリート感や反骨スピリットを強調。太いチェーン付きバッグ、スタッズ(金属びょう)を打ったハイヒールでゴシックやパンクの雰囲気もかもし出しています。ニューヨークはトランプ大統領のお膝元でもあるだけに、地元に根付いた人種的なダイバーシティーへの敬意を示したショー構成にはデザイナーの「NY愛」がうかがえました。

CALVIN KLEIN(カルバン・クライン)

米国のシンボリックなブランド「Calvin Klein(カルバン・クライン)」のデザインを任されたベルギー出身のラフ・シモンズ氏は、デビューコレクションで米国へのオマージュをささげました。星条旗を写し込んだウエアや、開拓史を連想させるウエスタンブーツなどを取り入れて米国の風土へのリスペクトを示しました。濃いインディゴブルーのデニムのセットアップ(上下そろい)も米国服飾史を象徴しています。カウボーイシャツやキルティングはアメリカンなカントリーライフを印象づけていました。

つややかなプラスチック、ふわふわのフェザー(羽根)など、風合いの異なる素材をあえて混在させて、さまざまなバックボーンや立場の「アメリカ人」が同居する国の特質を表現するかのよう。紳士服の仕立てを利かせた端正なウィメンズのスーツには、「強い女」のイメージが託されていました。

THOM BROWNE(トム ブラウン)

ミシェル・オバマ前米大統領夫人が着たことでも知られる「THOM BROWNE(トム ブラウン)」。もともとスーツに強みを持っていますが、今回はテーラードスーツをキーアイテムとして打ち出し、ドレス(ワンピース)はゼロ。タキシードまで女性向けに仕立て直して、「女性は女らしい服を」という保守的な発想にシニカルなまなざしを注ぎました。グレーを主体にメンズとウィメンズを巧みにねじり合わせています。

英国紳士服でおなじみのヘリンボーンや千鳥格子、アーガイルなどの柄を上質生地に落とし込んでトラッド風味のスーツルックを構築。でも、細部に透けるチュールやロマンチックなリボンをあしらってフェミニンさを薫らせています。メンズ風ジャケットとプリーツスカートを引き合わせ、性別を軽やかにまたぎ越えるかのようなスタイリングを提案。ペンギンのモチーフで朗らかさも添えています。

BROOKS BROTHERS(ブルックス ブラザーズ)

トランプ政権の「米国第一主義」がきっかけになって「メード・イン・アメリカ」があらためて関心を集めています。

ジョン・F・ケネディ米大統領も顧客だった「ブルックス ブラザーズ」は創業200年の節目をひかえた、アメリカン・トラッドの代名詞的なブランド。今回は奇をてらわない端正な装いを打ち出しています。伝統的な優美さを重んじる「タイムレスエレガンス」を柱に、仕立てのよさが分かるキャメルコートやツイード生地のジャケットで品格を漂わせました。

こういったブランドそれぞれの「持ち味」を鮮明に示し、思い思いに「アメリカ」の魅力をうたい上げていたのは、今回のNYコレクションの目立った傾向といえます。プレッピー風味をベースにしながらも、ジャケットの袖を短くしたり、ウエストにリボンベルトを配したりと、現代的なアレンジを加えています。紳士風の靴を履かせていたのも印象的でした。

MICHAEL KORS COLLECTION(マイケル・コース コレクション)

多様性を重視する態度はサイズ感やモデル起用にも表れました。NYモードの看板的な存在の「Michael Kors Collection(マイケル・コース コレクション)」は、従来のショーで主流だったスレンダー体形よりもややふっくらした、「プラスサイズ」と呼ばれるモデルを初めてランウエーに迎えました。ほかのブランドでも非白人モデルの起用が進み、女性の「美」を一面的にとらえない意識は今回のNYコレクションで広く共有されていたようでした。

着こなし面ではNY流のパワーウーマン像を押し出しています。肩を張ったジャケットや、深いスリットを切れ込ませたスカートなどが自立した女性のりりしさを感じさせます。半面、たっぷりしたファーコート、まばゆいメタリック仕上げのドレスがたおやかさを主張。オンとオフでいくつもの顔を持つ現代女性の多面性を映していました。

◇  ◇  ◇

多くのクリエーターに共通していたのは、ダイバーシティーを許容し、大統領選であらわになった「分断」を縫い合わせるかのような意識でした。ブランドごとの個性を掘り下げることによって、異なる価値観や成り立ちの混在する米国の現実を浮かび上がらせ、互いを認め合うゆるやかな団結の重要性を語りかけるアプローチです。女性蔑視的な言動で批判を浴びるリーダーの出現を踏まえ、女性の役割や多面性を再確認する表現が広がったのも、今回のNYコレクションの目立った成果でした。

[画像協力]

ALEXANDER WANG http://www.alexanderwang.com/jp

BROOKS BROTHERS http://www.brooksbrothers.co.jp/

CALVIN KLEIN http://www.calvinklein.com/

MICHAEL KORS COLLECTION http://www.michaelkors.jp/

THOM BROWNE https://www.thombrowne.com/

宮田理江(みやた・りえ)
 ファッションジャーナリスト、ファッションディレクター。多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報、リアルトレンドを落とし込んだ着こなし解説などを発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かした、「買う側・着る側の気持ち」に目配りした消費者目線での解説が好評。自らのTV通版ブランドもプロデュース。セミナーやイベント出演も多い。著書に『おしゃれの近道』『もっとおしゃれの近道』(学研パブリッシング)がある。http://riemiyata.com/

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