2017/3/4

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三菱UFJ国際投信の「マクロ・トータル・リターン・ファンド」は株式の空売りなど、ヘッジファンドの運用手法を活用して安定した収益を目指す。昨年6月の設定時に400億円強だった純資産は年末に約700億円まで伸びた。GCIアセット・マネジメントの「GCIエンダウメントファンド」は18億円と小粒ながら、組み入れ資産の半分をヘッジファンドやREITが占める。「40~50代を中心に既存の投信から乗り換えが多い」(太田創執行役員)という。

解約には予告も

しかし、代替投資には特有のリスクが潜む。上場株式や格付けの高い債券に比べると、未公開株や私募REITなどは市場での流動性が低い。実物資産が売買されている金などを除くと、代替投資は総じて売買がしにくく、値動きも一方向に動きやすい。解約する場合、1カ月前の予告を義務付けている運用会社もあるほどだ。

空港や道路のインフラ投資は30~40年の長期投資が前提となる。太陽光発電に投資するファンドは昨年6月、東京証券取引所に第1号が上場。政府が電力の買い取り価格を引き下げた影響もあり、ファンドの売買は活発とは言い難い。

代替投資特有のリスクを織り込む形で手数料も高めになりがち。ヘッジファンドは運用期間中の手数料(信託報酬)が2%以上と高いものが大半で、収益に比例して成功報酬を追加で求めるところも多い。株式、債券で市場平均型の収益を狙う「パッシブ型」の投信では大手の運用会社でも0.1%台の手数料が出始めており、代替投資の手数料には割高感が漂う。

足元の相場に目を向けると、米国の利上げ観測などを背景に世界的に金利が上昇基調にある。昨年は好調だったREITも一転、物件の調達コストが上がり始めた。運用難から分配金を減らすファンドも目立つ。

「代替投資はリスクヘッジのために使う」(三井住友アセットマネジメントの高本晴彦氏)のが王道。投資初心者ほど組み入れ商品や過去の運用実績の見極めが必要だ。

(川路洋助)

[日本経済新聞朝刊2017年3月1日付]