収入保障保険の受け取り、分割と一括で異なる税負担ファイナンシャルプランナー 八ツ井慶子さん

2017/3/5

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40代の会社員です。一家の大黒柱である自分が亡くなったとき遺族が一定の金額をもらえるという収入保障保険への加入を考えています。保険金の受け取り方は分割と一括があるようですが、どちらを選べばいいでしょうか。

収入保障保険は掛け捨ての死亡保険の一種です。被保険者が亡くなったりした際に原則として保険金が支払われます。保険金は給与のように、あらかじめ決められた金額を分割で毎月支給されるのが一般的ですが、一括でも受け取れます。

知っておきたいのは税金の扱いが違うことです。質問者の場合、一括で受け取ると相続税扱いですが、被保険者の法定相続人1人につき500万円まで相続税がかかりません。例えば法定相続人が3人で一括受取額が3000万円なら合計で1500万円までが非課税です。残り1500万円は相続財産に合算します。

ただし一括受取額は分割で受け取るより少なくなることに注意が必要です。本来受け取る時期を前倒しにするため、その分の運用益が差し引かれるのです。

分割の場合は1年目に税法上の評価額に一括と同様の非課税枠を適用し、2年目以降は保険金の一部が雑所得の扱いになります。雑所得は給与など他の所得と合算して課税され、税率は課税所得の総額が多いほど高くなります。また所得の合算額が増えると、国民健康保険料や介護保険料が増える場合もあります。

どちらで受け取るのがいいかは一概には言えませんが、相続財産全体が相続税の基礎控除額の範囲におさまる見通しの場合に一括を選ぶと、税金がかからずに受け取れます。

まとまった額を確保しつつ、受け取り後に税金などが発生する分割に比べて大黒柱が亡くなった後の資金計画を立てやすい面もあります。受け取り方は加入時に決める必要はないので、万が一のときに改めて判断するといいでしょう。

[日本経済新聞朝刊2月25日付]