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自分の耐性は? 長期・積み立てに向く投信選び QUICK資産運用研究所 北澤千秋

2017/3/1

2018年には積み立てNISAがスタートする

 今年から個人型確定拠出年金(iDeCo)の利用対象者が大きく広がったのに続き、来年には積み立てNISA(少額投資非課税制度)がスタートする。いずれも個人に長期の資産形成を促すために、税の優遇を厚くした積立制度。メインの投資対象は投資信託だ。しかし投信といっても千差万別で、どんなファンドを選ぶかによって積み立ての成果には大きな差が生じる。選ぶ際には、運用期間や損失に対する自分自身の耐性などを念頭に置く必要がある。

■「一括」と「積み立て」、一変する投資成果

 内外の株式と債券という4つの資産に長期で投資すると、どんな成果が上がるのか。まずは過去の実績を見てみよう。グラフAは2000年1月から16年12月までの代表的な指数(インデックス)の推移だ。00年にはIT(情報技術)バブル崩壊、08年にはリーマン危機と、2度にわたり株式相場の大暴落に見舞われた波乱の期間だ。

 それぞれの指数に連動するインデックス型投信に00年1月末に100万円を投資したとすると、17年間で最大のリターンを上げたのは外国債券(対象指数は世界債券インデックス<WGBI>・円建て)だった。期間中、ほぼ一本調子で金利が低下(債券価格は上昇)したことを反映し、元本は2.3倍になった(手数料は考慮せず。以下同)。

 次いでリーマン危機後の米国株の上昇がけん引した外国株(MSCI‐KOKUSAI・円建て)が1.5倍、堅実に利益を積み上げた国内債券(野村BPI総合)が1.4倍の順。国内株(日経平均株価)は唯一、元本割れとなった。

 これが積み立て投資になると、様相は一変する(グラフB)。同期間に毎月末1万円ずつ、各指数に連動した投信に積み立て投資した場合、リターンが最も大きかったのは外国株だった。16年末の積み立て成果は333万円強で、204万円の元本の1.6倍になった。リーマン危機後の相場低迷期にも根気よく買い続けた努力が、その後の株価上昇で報われた。

 高値から下落した後、大底を付けて元の水準に回復するU字型の相場は、積み立て投資にとっては「安値拾い」の効果を発揮しやすい得意のパターンだ。アベノミクス相場で戻した日本株も、16年末の時価が321万円と健闘した。逆に、一本調子の上昇相場は「高値つかみ」の連続になるため積み立て投資が苦手とする展開。国内債券の成果は245万円(元本の1.2倍)にとどまった。

 ちなみに資産運用の教科書に必ず出てくる分散投資をしたら、どうだっただろうか。国内外の株式、債券の4資産に毎月2500円ずつ均等額投資したケースでは、16年末の資産が298万円弱(元本の1.5倍弱)と、まずまずの結果となった。

■損失にどれだけ耐えられるか

 ここまで読んで、「長期投資なら株式が有利」と決めつけるのはまだ早すぎる。確かに過去17年間の試算では、国内外の株式が最も大きな利益をもたらした。しかし株式は価格変動が大きく、時価が積み立て元本を下回る期間も長かった点には注意が必要だ。具体的には、ITバブル崩壊後のほぼ4年、リーマン危機後の4年半は元本割れの時期が続いた。

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