AIペン、魔法のようなノート 即戦力デジタル文具14選
素早く直感的な「手書き」と、保存性やその後の活用に優れた「デジタル記録」。そんな2つのメリットを融合させたアイテムが増えつつある。
手帳で知られるモレスキンが販売する「スマートライティングセット」は、まるで"魔法"のような専用ノートとペンのセットだ。ノートに書き込むと、内容がそのままスマートフォンアプリの中の仮想ノートにもリアルタイムで出現。ページごとに異なる配置で印刷された極小のドットを専用ペンが読み取るため、以前に書いたページに戻って追記すればそれも反映される。
ワコムのメモパッド「Bamboo Folio」も同様に、手書き文字をそのまま画像として保存。こちらは下敷きのパッドが電磁誘導方式で筆跡を読み取るため、好きな紙を使える。
AI(人工知能)を活用したボールペンまでお目見えした。ナカバヤシ「CUTPEN」は、赤ペンで囲んだ新聞記事を専用アプリで撮影すると、切り抜いた画像データとして保存できる。また、そこで終わらず、AIが記事の中身を読み取って重要ワードを抽出。キーワードでウェブ検索した関連情報まで表示してくれる。
パソコンと文房具の中間的存在であるテキスト入力専用機「ポメラ」(キングジム)も、進化した新モデルが昨秋に登場。デジタル文房具は一つのカテゴリーとして、完全に定着している。
どこでも執筆できるテキスト専用機
キングジム 実勢価格5万2680円(税込み)
テキスト入力専用機「ポメラ」の最新モデル。軽量で持ち運びやすく、本体を開くと数秒で起動し、どこでもすぐにメモや執筆を始められる。キーボードは膝の上に置いても安定。前モデルと比べて漢字変換の精度が大きく向上しており、ストレスなく執筆に集中できた。Wi-Fi接続でiPhoneのメモと同期する機能も新搭載。
入れた書類を"スキャン"しやすい、ポケットの反射を抑えたファイル
キングジム 実勢価格486円(20ポケット・税込み)
キングジムのスキャンアプリ「SHOT DOCS」に対応するクリアファイル。入れた書類をアプリから撮影すると、自動で端を認識し、角度やコントラストが補正された画像として保存される。ポケットは照明の反射を抑えた素材で、書類が見やすいだけでなく撮影もしやすかった。
赤ペンで囲むだけで新聞記事をスクラップ
ナカバヤシ 実勢価格918円(利用権1年分付き・税込み)
新聞スクラップ用の赤色ボールペン。記事を線で囲んで専用アプリで撮影するだけで、切り抜いて画像として保存。スクラップ作業を効率化できた。さらにAIが記事中の重要ワードを抽出し、ウェブから関連情報を探す。アプリの利用権は1年間で、更新用のIDは新しいペンを買って入手。
ペンで書いた内容がすぐデジタル化、紙を選ばず使えるデジタルメモパッド
ワコム 実勢価格1万9224円(税込み)
紙に手書きすると、そのまま画像化できるメモパッド。メモを手軽に他者とも共有できる。初期設定は必要だが、その後は直感的に使えた。画像はまずパッド内に蓄えられ、後でスマホと同期させ、クラウド上に保存する。カバーのある「Folio」と下敷きだけの「Slate」があり、それぞれsmall(A5)とlarge(A4)の2サイズ。
1冊のノートが、丸ごとアプリと同期、書いたページも覚えるデジタルペン
モレスキン 実勢価格2万8188円(税込み)
専用ペンで書いた筆跡が、リアルタイムでスマホアプリに画像として保存されるノート。どのページに書いたかまで認識され、以前のページに追記すればデータ上でも同様に反映される点は驚きだった。秘密は紙に不規則に印刷されたドットで、カメラ付きの専用ペンがページとペン先の位置を認識する。専用ノート(実勢価格3780円・税込み)しか使えず、ランニングコストは高め。
ノートに書いた単語帳を一発で"アプリ化"
ぺんてる 実勢価格437円(税込み)
デジタル版の単語帳を手書きで簡単に作れるノート。左ページに問題、右ページに答えを書き、専用アプリで撮影すると、1行ごとに分割されて単語帳になり、アプリで学習できる。同じページに異なる科目が交ざっても後で分類可能な点は使い勝手が良かった。作成時に便利な手書きと、学習時に便利なアプリの「いいとこ取り」。
なぞると英単語の意味がわかる"ペン"、ややコツはいるが、読書時に頼れる
シャープ 実勢価格1万1710円(税込み)
"ペン先"で英単語をなぞるだけで意味を調べられるユニークな電子辞書。英和辞典タイプと国語辞典タイプがある。スマホなどを取り出さなくても片手で使えることはメリット。ただしペン先のサイズに合わない文字には使えず、読み取り精度を上げるにはやや慣れが必要だった。
写真を撮ると意味がわかる電子辞書、韓国語や中国語、街の看板にも有効
キングジム 実勢価格9570円(税込み)
文字をカメラで撮影するとその意味を調べられる電子辞書。印刷物だけでなく、海外旅行先の看板などにも使え、英語、中国語、韓国語に対応。一般的な活字であればそこそこの精度で認識してくれた。約70gでスマホよりも軽く、携帯しやすい。単4形電池2本で駆動する。
たった一つの番号でパスワードすべてを管理
キングジム 実勢価格6340円(税込み)
ウェブサイトのIDやパスワード、銀行の暗証番号など、数が多く覚えるのは大変だが、紙にメモするのは危険な情報を管理する機器。マスターとなる暗証番号を1つだけ覚えておけば、それでログインして他の情報を見られる仕組み。入力はやや面倒だったが、記憶力に自信がない人には重宝。
充電台に変わるモバイルバッテリー
NuAns 実勢価格5400円(税込み)
モバイルバッテリーだが、本体を開くとiPhoneの充電ドックになる。在席中はこれにiPhoneを置いて充電しておけば、その間にモバイルバッテリー自体も同時に充電されるため、外出先で使う際にバッテリーが切れている心配がなくなる。容量は3000mAhと標準的。
スマホの落下を防ぐ取っ手、たためばスリムに収納
バード電子 実勢価格1200円(税込み)
スマホやタブレットの背面に粘着テープで付ける落下防止用の取っ手。指を自然に入れやすい形状だ。たたんだ状態ではさほど厚くならず、端末をポケットなどにも入れやすい。
Apple Pencilの悩みを解消、ペン先も守る細身のカバー
Ztylus 実勢価格4599円(税込み)
iPad Pro用のスタイラス「Apple Pencil」は、クリップもなく、転がりやすい形状で、携帯方法や落下防止対策に悩む人が多い。これは装着したままApple Pencilが使えるカバーで、ペン先も収納できる。前モデルより細く、持ちやすかった。
端末を選ばず、2048段階で筆圧を検知、高機能スタイラスペン
アドニットカンパニーリミテッド 実勢価格7310円(税込み)
2048段階の筆圧検知に対応するうえ、多くのスマホやタブレットで汎用的に使える高機能スタイラス。充電式で、ペン先部分に筆圧検知のセンサーがある。アプリ側が対応する必要はあるが、筆ペンのように太さの変化を生かした文字や、イラストを描く際などに威力を発揮する。ペン先が僅か1.9mmと細い点も使いやすかった。
"重力"を使いペン先を出し入れ、適度な重みも快適なタッチペン
MetaMoJi 実勢価格3888円(税込み)
一見、ごく普通のタッチペンだが、ペン先を片手で自在に出し入れできる機構が新しい。ペン先を上に向けてノックすると引っ込み、下に向けてノックすると飛び出す。約34gと、一般的なタッチペンよりあえて重くしたことで、重みで画面に密着させやすかった。
(日経トレンディ編集部)
[日経トレンディ2017年3月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。