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危険な「睡眠不足」 こんな兆候は要注意!

こちら「メンタル産業医」相談室(4)

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日経Gooday(グッデイ) カラダにいいこと、毎日プラス

こんにちは、精神科医の奥田弘美です。前回「長時間労働はなぜ悪い? 医師が明かす睡眠不足の怖さ」では、気付かないうちにたまり、予期せぬアクシデントの要因となる「睡眠不足」の状態を断ち切るには、「睡眠負債」をなるべくこまめに返済していくことが大切だという話をしましたが、今回はこの睡眠負債について、もう少し見ていきましょう。

週末の寝だめは意外に大事

ノーマルな睡眠体質を持っている多くの人の場合、睡眠時間が7時間を切ると、睡眠の負債が発生し始めるといわれています。早く返済すればさほど問題はありません。また多少の睡眠負債ならば、持ちこしていっても大きな悪影響はないとされています。

つまり平日は平均6時間睡眠しかとれないけれど、土日には8時間以上の睡眠をしっかり定期的にとって負債を返している、月曜日には疲労はほぼとれて元気に出勤できている、という状態ならば働き盛りの健康なビジネスパーソンにとっては目立った問題は起こりにくいことが多いでしょう。

実際、私自身も7時間睡眠が必要な睡眠体質の持ち主ですが、平日は産業医業務の持ち帰りや執筆があったり、子どもや家族の世話をしたりでどうしても6時間程度の睡眠しかとれないことがほとんどです。しかし土曜日と日曜日は基本的に午前中予定を入れないようにしており、土日の朝は「目覚まし時計セット無し」で寝ることにしています。するとたいてい普段より起床時刻が2~3時間遅くなり、午前9~10時ごろに起床するのが常です。

私の場合、これで負債が返済できているようなので、月曜日はたいてい疲労を感じることなく仕事に向かうことができます。

この土日に何らかの都合で午前から用事が入ってしまうと、月曜日のスタートが非常に気だるくなり心身ともにエンジンがかかりにくくなりますし、仕事でも機転やアイデアが湧きにくくなりカウンセリングの質が落ちてしまいます。

あなたは睡眠負債を、きちんと返し定期的にリセットしているでしょうか? この睡眠負債については未知の部分もあり、数学の公式のように「○時間の負債があるなら○日以内に○時間補えば大丈夫」という明確な数値は分かりませんが、睡眠負債をできるだけためずに、こまめに早期返済することが最善であるという事実は明らかです。

どんな兆候があると要注意?

もしあなたに次のような症状があるのなら、それは睡眠負債が安全な範囲まで返せていないというシグナルになります。

【こんな兆候があると要注意】

○ほぼ毎日、電車に座っていたり昼食後の休憩時間にボーっとしていたりすると、眠気を感じてうとうと居眠りをしてしまう。

○日中はたばこやコーヒーがないと 頭や体をシャキッと保つことができない。

○毎夜、布団に入るなりあっという間に寝落ちしてしまう。いわゆるバタンキュー状態。

○運転中に信号待ちなどでふっと眠気に襲われることが頻繁にある。

心当たりのある方は、まずは可能な限り残業を減らしたりスマートフォンやSNS(交流サイト)などに割く時間を見直したりして、平日の睡眠時間を少しでもいいから増やしましょう。

職場のノー残業デーも大いに活用して、週の中日に一度睡眠負債を少しだけでも返しておくことも重要です。

また休みの日の午前中は極力用事を入れないようにして、しっかりと睡眠負債を返すように心掛けましょう。

ご自身の睡眠状態とパフォーマンスの関連性に、もっと敏感になっていただくと、あなたのベストな睡眠時間や、睡眠負債を早期に安全に返済するパターンが見えてくると思います。

寝坊は2~3時間までが限度

ちなみに平日の睡眠が5時間以下という日が連日続くなど睡眠負債が増え過ぎると、土日に思いっきり朝寝坊して睡眠負債を返せばいいと思うかもしれませんが、それが難しいのです。なぜでしょうか。

それは生体の覚醒リズム上、周りが明るくなってくるとそんなに長く寝ていられない人が多いからです。

時々「遮光カーテン引いたら午後3時ぐらいまで平気で眠れますよ」という人もいなくはないですが、正午を越えて寝てしまうと、体内時計が狂ってしまうため人工的な時差ボケ状態をつくってしまいます。極端に遅く起きてしまうと、その夜に目がらんらんと冴(さ)えて眠れなくなり、昼夜逆転状態になってしまい、より体調が崩れる原因になります。生体リズムを乱さずに睡眠負債を返せる上限は、およそ2~3時間の寝坊が限度なのです。

さて話を長時間労働に戻しますが、以上のことからも、私は長時間労働者の過重労働面談をするたびに、「とにかく平日に6時間睡眠は何が何でも死守できるように頑張ってください。土日には極力予定を入れずに休養を優先してください」と口を酸っぱくして伝えるようにしています。

しかし、6時間睡眠さえとれる時間を確保していれば、ずっと月80時間や100時間レベルの過重労働をしていても大丈夫なのか? 例えば連日終電まで働き、午前1時に帰宅して午前9時に出社するのであれば、会社の近くに住むと6時間眠ることは可能だろう……などと決して安易に考えないでください。

人間は機械ではありませんので、ガンガン仕事をして心身が緊張している状態の直後に、すぐにスイッチを切り替えて眠ることはできません(もしあなたがバタンキュー状態ならば、すでに相当に睡眠負債がたまっている状態と考えてください)。

運動のあとゆっくり筋肉をクールダウンしていくように、仕事後には精神的・肉体的緊張を緩めるためのスローダウンの時間が数時間必要です。そのスローダウンの時間を兼ねて、私たちは帰宅後にゆっくりと夕食をとったり、家族と団らんしたり入浴したりしているのです。

このスローダウンをしていく間に、自律神経が交感神経優位から副交感神経優位に切り替わっていき、筋肉や精神の緊張がゆるみ心身ともにリラックス状態となります。その結果、良質な深い睡眠が訪れ疲労を回復させることが可能になるのです。

長時間労働が続くとこのスローダウンの時間が消失してしまうため、たとえ最低6時間睡眠時間をギリギリ捻出できる人であっても、睡眠の質が悪くなるため疲労がたまっていきます。また自律神経バランスが崩れて、第1回「働く人に多い『過緊張』 1分マインドフルネスが効果」でご紹介した過緊張状態になる人も多く、遅かれ早かれ体調不良が出現してきます。

今までの内容をまとめますと、以下のようになります。

◇   ◇   ◇

・深夜におよぶ残業が月単位で続き土日出勤も頻発するような過重労働状態になると、たいていの人が睡眠不足に陥り睡眠負債が返済されないため、判断力、注意力、思考力が損なわれ、パフォーマンスに重大な悪影響が発生する。重大なアクシデントも発生しやすくなる。

・仮に何とかギリギリ6時間近く睡眠を確保していたとしても、スローダウンの時間がとれなくなるため自律神経のバランスが崩れて疲労が蓄積し、体調不良が出現してくる。

◇   ◇   ◇

この睡眠負債や疲労がさらに蓄積していくと、さらに恐ろしい現象を心と身体に誘発してしまいます。どんな恐ろしい現象が起こってくるのか、それは次回にお話しすることにします。

奥田弘美(おくだ・ひろみ)
 精神科医(精神保健指定医)・産業医・作家。1992年山口大学医学部卒。精神科臨床および都内18カ所の産業医として日々多くの働く人のメンタルケア・ヘルスケアに関わっている。執筆活動にも力を入れており「1分間どこでもマインドフルネス」(日本能率協会マネジメントセンター)、「一流の人はなぜ眠りが深いのか」(三笠書房)など著書多数。日本マインドフルネス普及協会を立ち上げ、日本人にあったマインドフルネス瞑想(めいそう)の普及も行っている。

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