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業績急回復、株価を下支え 年度末に向け底堅く

2017/2/26

 年度末となる3月末に向けて、株式相場は底堅く推移しそうだ。円安や資源価格底入れを背景に、企業業績が急回復しているためだ。国内景気に関する統計も好転しており、買い安心感につながっている。トランプ大統領の政策や欧州の大型選挙など不安要因も残るが、当面は堅調な相場展開を期待する声が強い。

 日本企業の業績が急激に盛り返している。このほど発表が終わった3月期決算企業の第3四半期(2016年10~12月期)は、全体の経常利益が14.3%増と、4四半期ぶりに増益に転じた。純利益は24.5%増と6四半期ぶりの増益で、東芝の巨額損失を除けば、増益率は27%になる(図A)。

 業績急回復の理由は3つ挙げられる。(1)円安による採算改善(2)世界的な景気回復(3)原油など資源価格の底入れ――だ。円相場は、10~12月期の平均が1ドル=109.5円と7~9月期から7.1円、円安になった。自動車、電機、電子部品、機械など海外での売り上げが多い企業が、円安の恩恵を受けている。

■資源価格底入れ

 通期の業績見通しを出す上での為替想定レートは、多くの企業が1ドル=110円としている(図B)。足元の円相場は113円前後で、前提レートより円安水準だ。3月3日に発表される米雇用統計で強い数字が出れば、同15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げの可能性が浮上するかもしれない。一段の円安を見込む声も多く、期末に向けて安心材料だ。

 市場では「3月の米利上げは時期尚早。6月ではないか」(マネックス証券の広木隆執行役員)との声もある。だが、一方で一段の円安にならなくても、期末や来期に向けて企業業績は盤石との指摘も多い。

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の芳賀沼千里チーフストラテジストは「企業業績は為替離れを始めた」とみる。同氏によると、日本の名目輸出額と製造業の海外現地法人売上高の比率が逆転している。08年までは両者は均衡していたが、10年から海外現法の比率が高まっている。

 15年10月から16年9月までの累計では、輸出70.4兆円に対し、海外現法の売上高は118.2兆円だ。企業は海外での現地生産、現地販売を進めており、円高による採算悪化要因はかつてほど大きくない。

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