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このコメを選べ! 「お米マイスター」のおすすめ銘柄

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日本人の主食のコメ。スーパーに行くと、多くのブランド米が並んでいる。「コシヒカリ」や「あきたこまち」だけではなく、店舗によっては10種類以上が並ぶ。「どれがいいのかよくわからない」と、結局、包装デザインで選ぶ消費者は多いはず。お米博士ともいわれる「お米マイスター」の資格を持つ5人の米穀店経営者らにお薦めのコメについてざっくばらんに見解を話してもらった。

「つや姫」はさっぱり、「ゆめぴりか」はもっちり

取材でお米マイスターたちの人気を集めたのが「つや姫」だった。山形県で主に生産されるコメで、名の通り味だけでなく見栄えにもこだわった新興ブランド米。2010年にデビューして最近ではコシヒカリとともに店頭に並ぶ常連銘柄になった。

米穀店、スズノブ(東京・目黒)の西島豊造氏は「朝ご飯や和食にあうコメだと思う。のどごしが良く、食べやすい」と評価した。藤井米穀店(大阪市)の藤井博章氏も「あまり特定の銘柄を挙げたくないが」と前置きしたうえで、つや姫を推した。「コシがあって、ほどほどの粘りがいい」と説明する。

山形県はつや姫に厳しい品質基準を設けている。つや姫の苗で作ったとしても、収穫後にたんぱく質の含有率といった基準を満たさなければ、農家は「つや姫」として売ることができない。信頼を損なう可能性があるコメを徹底して排除する仕組みがブランドを支えている。

藤井氏がつや姫とともに薦めたのが、北海道の新興ブランド米「ゆめぴりか」。「風味が強いと感じる」という。中丸屋商店(神奈川県茅ケ崎市)の中丸真一氏は「モチモチしているから、おむすびにもしやすい」とも話す。昔は「北海道のコメはおいしくない」と言われていたが、ゆめぴりかは北海道産のイメージを変えた。

大ざっぱかもしれないが、ゆめぴりかとつや姫に象徴されるように、お米の好みはやわらかく粘り気のある「もっちり派」と、粘り気が少なく堅めの「あっさり派」に分かれるようだ。

「やわらかいのが好きな人に推すのは『ミルキークイーン』ですね」と北陽米穀(大阪市)の北畑岐氏。ミルキークイーンは1989年にコメの需要喚起策として農林水産省がスタートした「スーパーライス計画」で開発された。国家プロジェクトで誕生したコメだ。

記者も先日、スーパー店頭で見かけて購入してみたが、とにかく個性的な食感と味だった。かなりやわらかくてモチモチしている。ミルキークイーンの包装の裏面には炊飯について説明書きが加えられているほどで、水分調整に慎重さが求められる。西島氏は「味がしっかりしているので、ご飯だけで食べるのがいちばん」と話す。

「天のつぶ」、ササニシキを超えるか

あっさり派へお米マイスターらが推したのは「ササニシキ」だった。水産物が豊富な宮城県で誕生しただけあって「あっさりした食感が魚にあう」(中丸氏)。おすし屋さんから引き合いのある銘柄だ。ただ、スーパー店頭からはすっかり姿を消してしまった。93年の冷害で、不作になり、農家が生育しやすいコメに作付けを移したため、生産量が急減した。味の問題ではなく、作りにくさが災いして今では店頭に並ばなくなった。平成生まれの若者は聞いたこともない銘柄かもしれない。

ササニシキを超えるかもしれないともいわれる新興ブランド米が「天のつぶ」。西島氏は「堅めが好きなら、絶対にお薦め。家でもパラパラでプロ級のチャーハンが作れる」と絶賛する。福島が産地で、食べ応えがあり、香りもいいという。

お米マイスターが絶賛する割に、スーパーではあまりみかけない。福島県が積極的に売り込もうとした矢先に、東日本大震災が発生し、原発事故の風評被害に見舞われたため、スタートダッシュができなかった。西島氏は「運が悪かったが、ポテンシャルはある」と太鼓判を押す。スーパーには並んでいないが、扱っている米穀店も多いので、試してみてもよさそうだ。

意外にも、お米マイスターの口からは「コシヒカリ」の名前がほとんど出てこなかった。理由は、店頭に並ぶコメのほとんどがコシヒカリ系だから。コシヒカリをベースに交配を重ねて品質を追求するため、コシヒカリ以下のコメは、基本的には誕生しない。裏を返せば、コシヒカリは「偉大なる母」なのかもしれない。

侮れない精米技術と農家の情熱

お米マイスターたちは、コメの味を決めるのは銘柄だけではないとも言う。小室米店(東京・文京)の小室茂氏は「精米はかなり大事」と話す。スーパーに並ぶコメはほとんどがコメの卸会社の工場で精米されている。小室氏は「名前は言わないが、精米がいまひとつの会社もある」という。精米機の掃除やメンテナンスを怠っていると、味に影響する。「色が濁ったコメや割れたコメが混ざる卸会社は避けた方がいい」と助言する。コメ卸が精米工場での歩留まり向上を追求するほど、劣化したコメが混ざる確率が高くなる悩ましい業態だ。

当然、精米技術が高い卸会社もある。スーパーで売るコメの包装には、卸会社の名前が記載されているので、ブランドとともに購入時の参考にするといいだろう。

藤井氏は「極端なことを言えば、同じ田んぼで作っても、水の流れ方次第でピンポイントでコメの味に差が出ることもある」と指摘する。そのうえで、ヒントとして「割高にはなるが、特別栽培米は選んでもいいかもしれません」という。特別栽培米は簡単にいえば、化学肥料や農薬を減らして作ったコメ。実際に味や健康面で、どの程度の差が出るかはわからないが、「ひとつ言えることは、特別栽培米を作っている農家は情熱がある」。

お米マイスターからみると、生産者の腕は重要なようだ。生産者を指名して調達している米穀店も多い。北畑氏は「粘りも甘みもあって、有望株」と新潟の新ブランド米「新之助」を持ち上げながらも「生産量が増えてきたときに、品質を維持できるかが大切」と加えた。派手な宣伝でデビューし、いつの間にか品質が落ちて市場から消えていった多くのブランド米を目の当たりにしたが故に、楽観はしない。

コメの新ブランドは全国で次々と誕生している。2016年産の時点で726銘柄が農林水産省のリストには登録されている。その中から自分の好みを見つけ出すのは至難の業。スーパーでコメを買うのは便利だが、たまには近所の米穀店に出向いて相談するのもいいだろう。

(筒井恒)

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