TAKE>GIVE思想の限界

上司であるにもかかわらず、部下を呪う人たちに共通する点がもう一つあります。それは「TAKE>GIVEの思想」です。実際には、当の上司たちは、すでに大量に部下へのGIVEを先行している「GIVE>TAKEのつもり」のケースが多いがゆえに、

「俺がこんなにしてやっているのに、アイツは不義理をしている」

「俺に世話になっているはずなのに、アイツは見返りが少ない」

という考え方になり、結果として部下から自分への見返りが足りないと不満を持つパターンです。

たとえば、「彼らが若い時代にこうしてやった」というようにGIVEの時制が古すぎるケース、「自分は上司として、こうカバーしてやっているのだ」というようにGIVEすることが上司の役割として当たり前であるはずというケースや、義理の押しつけパターンなど、部下から見た時には「GIVE&TAKE」が成立していないにもかかわらず、なぜか恩知らず扱いされてしまう「言いがかり」型の返礼要望のパターンが意外なほど多いのです。

なかには、過去に上司であったという経験を乱用して、「新人時代は俺がお前の世話をしてやったのだから、次は恩返しとしてこの会社に行け」という事例もあるようです。

さらに現在では、仕事上で誰かの陰口を言ったり、強制的な恩返しを要求したりすること自体が、パワハラ、セクハラや、ブラック企業問題につながりかねないリスクをはらんでいます。「○○してやったから△△しろ」「□□してくれれば××してやる」という発想を仕事上の付き合いですること自体が、もう古すぎると考えたほうがよいのかもしれません。

最後の最後に後悔しないように働くこと

緩和ケア施設で働くオーストラリア国籍の看護師、ブロニー・ウェアさんは、自著『死ぬ瞬間の 5つの後悔 』で以下のようにまとめています。

1.自分に正直な人生を生きればよかった
2.働きすぎなければよかった
3.思い切って自分の気持ちを伝えればよかった
4.友人と連絡をとりつづければよかった
5.もっと幸せを求めればよかった

日本人とオーストラリア人の違い、人生のコンディションにも違いがあると思うのですが、ここには人生の最期を迎える人たちの本音があるように思います。そして、もしかすると部下を呪うような上司たち、何かにつけ他責的になってしまう人たちには、以下のような6つめの後悔があるかもしれません。

6.誰かの責任にせず、もっと自分で責任を持つべきだった

成功であれ、失敗であれ、自分のことに責任が持てるのは自分しかおらず、自責的に問題に対処したほうが必ずよい結果につながるはずだからです。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜更新です。次回は3月3日の予定です。連載は3人が交代で担当します。

黒田 真行(くろだ・まさゆき)
ルーセントドアーズ代表取締役
「ミドル世代の方々のキャリアの可能性を最大化する」をテーマに、日本初の35歳以上専門の転職支援サービス「Career Release40」を運営している。1989年、関西大学法学部卒業、リクルート入社。88年より転職メディアの制作・編集・事業企画に携わる。2006~13年まで転職サイト「リクナビNEXT」編集長。13年リクルートドクターズキャリア取締役などを経て、14年ルーセントドアーズを設立。
35歳以上の転職支援サービス「Career Release40」
http://lucentdoors.co.jp/cr40/

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