マイナスの敗因を、表層ではなく構造でとらえること

残念ながら、「自分が上司であるにもかかわらずマイナスな結果を部下の責任にしようとする人種」は、その後もビジネスの中で時々目にすることになりました。

「自分が上司に疎まれていた結果、どうしようもないダメな部下ばかり配属されたお荷物部署を担当させられ、絶対にうまくいくはずのない環境を背負い込まされた」(→だから転職を考えている)

「いくら教えても教えても、同じことの繰り返し。ザルに水を注ぐように、部下が仕事を覚えない。バカな部下のせいで、自分だけが残業ばかりさせられる羽目になっている」(→だから転職を考えている)

「最近の若いヤツは気骨が弱いから、すぐに辞めてしまう。人事もダメだから、すぐにケツを割るようなやつばかり採用してくる。こんな職場はもうやってられない」(→だから転職を考えている)

転職検討者の中にも、上記のような理由(単純化していますが)がきっかけとなって、転職活動を開始したという方が一定の割合で存在します。ご本人がそう信じ込んでいる以上、あまりお説教臭いことも言えず、非常に消化不良というか、後味が悪い面談になりがちなのですが、上記のようなケースで、それとなくお伝えしている観点があります。

それは、自分の担当する部署の業績が悪かったり、うまくいかない原因を、どう分析するかという観点です。たとえば「部下の配属が悪かったから」「部下の覚えが悪いから」「部下がすぐに辞めるから」というような振り返り方の共通点は、すべて表層要因であることです。

●部下の配属が悪い(と考えることもすでに主観ですが)と本当に業績が良くならない理由となるのか? 不良社員の集団でも業績を上げられた実績はないだろうか? あるとするとその要因は何か?

●部下が仕事を覚えないということが事実であったとしても、自分の教え方が悪くなかったとは言えないのではないか?

●すぐに若手の部下が辞めてしまうのは、果たして本当に彼らに気骨がないからなのか?辞めたくなかった人が辞めてしまう真因は何か?

――というように、もう一度課題の本質をとらえなおし、もし次に同じようなシーンに出くわしたときに、どう対処すれば同じ結果を招かないですむかを考えておきませんか、とお伝えしています。

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