大規模災害の発生時 ペットと一緒に避難、どうする?薬や水を忘れずに 迷子札で身元確認しやすく

ペットとの同行避難訓練。参加者は受付係と被災者に分かれて体験(静岡県富士市)
ペットとの同行避難訓練。参加者は受付係と被災者に分かれて体験(静岡県富士市)
東日本大震災の発生からもうすぐ6年。大規模災害が起こると、ペットの犬や猫が飼い主と離ればなれになり、放浪して衰弱し死んだり、飢餓により凶暴化したりする恐れもある。そこで欠かせないのが、飼い主がペットを連れて逃げる「同行避難」だ。飼い主はどんな備えと心構えが必要だろうか。

11日午前9時前。静岡県富士市の富士見台中央公園に、愛犬を連れた飼い主たち約20人が集まった。地元の富士見台7丁目地区に住む飼い主のボランティアグループ「富士見台ワンニャンズ」が主催するペット同行避難訓練だ。

同公園を災害時の避難所に想定。テントを張り、ペットを入れて保護するケージの置き場所を設けた。訓練では避難所での受け付けや誘導、ケージに入れてからの世話などを試した。参加者は受付係と被災者に分かれて交互に体験、同行避難を学んだ。

訓練に参加したメンバーの杉沢一さん(70)は「同行避難は飼い主同士が協力し合うのが前提。いざというときに慌てないよう、日ごろから訓練することが大切」と話す。

大規模な災害が起きると、ペットはパニックを起こして逃走するなど異常行動に走ることが少なくない。2011年3月11日の東日本大震災では、飼い主が避難時にやむなく自宅に残した犬や猫が、山野に逃げる例が相次ぎ、自治体などが対応に苦慮した。

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環境省によると、犬や猫の飼育頭数は2千万匹を超えているとされる。同行避難の検討は急務だ。このため、同省は自治体などが動物救護体制や対策マニュアルをつくる際の参考にしてもらうため、「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」を作成、各自治体へ配布している。

ガイドラインでは、飼い主とペットの同行避難を想定し、災害への備えや発生時の対応などを説明している。

避難所では同じフロアで飼い主とペットとが寝起きできるわけではない。動物への好き嫌いやアレルギー、衛生上の問題もあり、ペットは飼い主とは別に屋外などで過ごすことが多くなる。日本愛玩動物協会で救援事業を担当する白井百合さんは「基本的なしつけに加え、他人や動物を怖がらないようにしておくなどの準備が必要」と指摘する。

犬であればリードを付け首輪に緩みがないかを確認。脱走防止のため、ケージやキャリーバッグに入れて移動するときも首輪とリードを付ける。猫はパニックになって暴れることも多く、ケージやキャリーバッグの扉が開かないよう粘着テープで固定する。

備蓄品として1週間分の餌や水、薬などの用意が基本。緊急連絡先を書いた手帳のほか、多目的に活用できる粘着テープもあるといい。トイレ用品や寒さ対策の毛布なども準備する。「迷子札やマイクロチップなどを装着し、万一はぐれても飼い主が判明するようにしておく」(白井さん)ことも欠かせない。

次に避難ルートを確認し、人間とペットの備蓄品を持った状態でペットを連れて歩くことを体験しておく。また、「近隣に住むペットの飼い主と防災対策について情報交換しておくと、災害時に連携しやすい」(白井さん)。