大規模災害の発生時 ペットと一緒に避難、どうする?薬や水を忘れずに 迷子札で身元確認しやすく

ペットと同行避難するために

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注意したいのは、同行避難は、避難先の室内で飼い主とペットが同居する「同伴避難」とは違うことだ。避難所によっては、学校の教室に余裕があるなど条件が合えば、同伴避難が許される場合もある。しかし、原則として認められないと考えた方がいい。

自治体の役割は重要だ。過去の災害時に、多くの飼い主がペットと共に避難した。だが、一部では拒否した避難所もあった。同行避難について、自治体による避難所への周知が十分でない状況があったとされる。

東京都新宿区は「区学校避難所動物救護マニュアル」を作成。地元の獣医師会と災害時の動物救護活動に関する協定を結び、区内の小中学校など50カ所を、災害支援物資を備蓄しておく避難所に指定している。毎年、同行避難訓練を実施。飼い主には外国人もいるため4カ国語でペット防災パンフレットをつくり、安全避難のための準備と心構えを呼びかけている。

同区衛生課の石井章夫管理係長は「飼い主が、避難所に行けば何とかしてくれるという受け身の姿勢では困る。日ごろの備えがトラブルを防ぐことにつながる」と話している。

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ペットとの避難訓練、4%のみ

ペット保険専門のアニコム損害保険(東京・新宿)が昨年9月、契約者に実施した調査(有効回答数約3500)によると、「ペットのための防災対策をしている」と答えたのは60.9%だった。

準備している物(複数回答)は「水・フード」(71.9%)が最も多く、「避難用のケージ・キャリーバッグ」(58.9%)、「リード・首輪」(58%)、「トイレ用品」(55.3%)などと続く。

一方、「住んでいる地域のペットの防災対策が分からない」と答えた人は76.9%に上った。「ペットと一緒に避難訓練をしたことがある」とする飼い主は、わずか4.2%にすぎない。

日本愛玩動物協会の白井百合さんは「同行避難の周知に積極的な市区町村はまだ少数。飼い主は、避難所にペットを連れていけるか確認する必要がある。行政が実施する同行避難訓練には、進んで参加した方がいい」と強調する。

(大橋正也)

[日本経済新聞夕刊2017年2月22日付]

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